IT技術の進化により多くの企業で使われるようになったグループウェア。しかし、導入したからといって必ずしも業務を円滑に進められるわけではありません。どうすれば間違いのないグループウェア製品を選ぶことができるのでしょうか。

今回はグループウェアの歴史を紐解き、進化の過程をたどることで求めるグループウェア像を探ります。前向きにグループウェア導入を検討できるよう、製品に対する知識を深めていきましょう。

グループウェアの歴史はどれだけ認知されているの?

グループウェアの歴史についてどれだけの人が知っているのでしょうか?
今回100名の方にアンケートを取りました。

【質問】
グループウェアの登場した年代や経緯など、歴史について知っていますか?

【回答結果】
はい:9
いいえ:91

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 - 29 30 - 39 40 - 49 50 - 59 60
調査期間:2017年06月07日~2017年06月14日
有効回答数:100サンプル

★グループウェアの成り立ちについて知らない人多数

アンケートの結果、グループウェアの歴史や経緯については知らない人が大多数でした。

・グループウェアを使っていますが、歴史や経緯までは知りませんでした。(30代/男性/正社員)

・使用してはいるものの、その背景まで調べたことはないので。(30代/女性/専業主婦(主夫))

仕事で使っていても、実際に調べたことがない人は多いようです。
なかには、グループウェアという言葉自体を知らないという人もいました。
では「はい」と回答した人のコメントを見てみます。

・1990年代に情報の共有化の事で問題になっていたのを聞いた事が有る為。(40代/男性/正社員)

・グループウェアは1990年代に一世を風靡したロータスノーツが走りだと思います。目的としては、 メールはもちろんですが、文書やノウハウの共有が目的かと思います。(40代/男性/個人事業主・フリーランス)

「はい」と回答した人は、かなり詳しく知っている傾向にありました。

グループウェアを知らない人、知っていても歴史までは知らない人、詳しく知っている人、さまざまな人がいました。 情報システムの仕事をしている人は詳しいものの、それ以外の人はわからない傾向にあるようです。

グループウェアの歴史は意外と古い?

グループウェアが世の中に広まったのは1996年に発表されたソフトウェアがきっかけですが、1960年代にダグラス・エンゲルバートが独自のハイパーテキストを開発します。これは1996年に発表されたソフトウェアの先駆者的存在といわれています。ユーザーの声をもとに開発されたこともあって、ユーザーから圧倒的な支持を得るまでになりました。

電子会議室やファイル共有などの機能は画期的で、生産性に優れた業務改善へ導くことができます。日本では、2000年に入ってパソコンが普及し始めるとともにグループウェアが広まりました。当時はネットワーク環境が整備されてきたとはいえ、オンプレミス型が主流でした。そのため、グループウェア導入のためのサーバ購入には莫大な初期コストがかかっていました。

また、グループウェア自体も高価だったことから導入が難しいケースもあり、 ブームは終わりを迎えます。海外製のクライアント・サーバ型グループウェアは、2000年代前半には下火になったのです。

多くの企業に広まったのは2000年代後半から

グループウェアが日本で再び脚光を浴びるようになったのは、2000年代後半に入ってからです。 それまでパッケージ型のグループウェアは海外企業であるI社やM社の製品が主流でした。 海外の主力製品はカスタマイズが自由にできるメリットがあったからです。 しかしその反面、プログラミングの技術が必要で時間と労力がかかってしまう面もありました。

高い機能性はITに関する知識がないとなかなか使いこなせないというデメリットも生じさせることになります。 そんなときに登場したのが日本企業S社のグループウェア製品です。S社のグループウェアは導入までの時間や コストがかからないうえに、ITに関する専門知識がなくても操作できる手軽さが支持を得て、中小企業を中心に 広がりを見せました。やがてスマートフォンやタブレットが登場すると、企業でのIT利用は必要不可欠な状態になります。

いまやグループウェアのモバイル対応は当たり前となり、社内はもちろん出張先や別の事業所にいても業務や情報共有、意見交換などができるようになったのです。海外製か日本製のどちらがいいかは、企業の業務形態や求めるニーズによって変わってきます。一般的な評判だけに左右されることなく、自社にあったグループウェアを選ぶことが重要です。

これからのグループウェアに求められるもの

グループウェアの歴史を紐解いたところで、今度はこれからのグループウェアに求められる要素を見ていきましょう。まずはユーザビリティについてです。ユーザビリティとは製品を使用する際の有効性や効率、利用頻度、満足度などの度合いを指します。せっかくグループウェアを導入しても現場のニーズにそぐわなければせっかくの機能も無駄になり、必要なユーザビリティを満たしているとは言えません。

次にグループウェアの機能がレスポンシブ対応になっているかどうかも大切です。レスポンシブとはパソコン、スマートフォン、タブレットなどデバイスが変わっても問題なく利用できるかどうかを指します。今後ますますビジネスシーンでのモバイル活用が活発になるであろうことを考えると、今後のグループウェアには必須事項と言えます。マルウェアやDDos攻撃などの被害を避けるために、セキュリティの高さも考えなければなりません。

パソコンのウイルス感染による企業の情報漏えいは度々ニュースにもなり、企業に対する信頼性やイメージを著しくダウンさせます。クラウド型の場合、セキュリティ対策は製品を提供するベンダーの対応で変わるため、選定する際のひとつの判断基準になるでしょう。

まとめ

クラウド型が普及してきたことにより、ひと昔前と比べるとコストと労力の両面で、グループウェアの導入はハードルが下がっています。

まず検討すべきは、自社に必要なのはどのような機能を持った製品なのかであり、それを知るには社内で改善すべき業務目標は何なのかを探ることです。マニュアルに沿った仕事内容ではなく、現場で実際に行われている業務内容に目を向けて検討をすることが、間違いのないグループウェア選びには必要不可欠です。

ぜひ自社にあった製品を選び、実際の業務に役立ててください。

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