人手不足やエンジニア職の採用コストの増大に伴い、社内の情報システムを一人もしくは数人で支えている「ひとり情シス」が増えています。本資料では、このようなひとり情シス体制が、組織に及ぼすリスクと情シス担当者の業務上の悩みの両面に触れ、その解消案を解説しています。
2020.08.15
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かつては電算室と呼ばれ、企業のコンピューターシステムの開発、保守などを担ってきた情シス。ITが企業の成長戦略に欠かせない技術となってからは、求められる情シスの役割も変わろうとしています。
ITが売上に直結しない企業だと経費削減対象ともされがちな情シスですが、今後どのように変わっていくべきなのでしょうか。今回は情シスの置かれた現状を把握するとともに、情シスの役割と将来性について解説していきます。
企業には必要なプロフェッショナル集団!ITの必要性は論じるものの情シスに対してはあまり重要性を感じていないような風潮が、日本の中小企業などに見られます。以前は自社で基幹システムを開発・保守していた情シスですが、アプリケーションやクラウドなどの技術発展に伴い、必ずしも情シスの手を借りる必要性がなくなってきています。
2013年のガートナージャパン社による調査によれば、世界のIT戦略の主流は「ビジネス・ソリューションの提供」であることがわかりました。対して日本の企業はITのガバナンスやマネジメントの改善に重きがおかれ、世界との認識のズレが目立っています。グローバル社会に対抗するためには攻めのIT戦略が必要で、そのために従来受け身傾向にある情シスにも能動的に攻める姿勢が求められています。
情シスには主に4つの役割があります。
1つ目は、企業の売上に直結するIT戦略やシステムなどを企画・開発する役割です。営業や製造など情シス以外の仕事内容を把握しておく必要があり、「攻めのIT戦略」として求められている新たな役割でもあります。
2つ目は基幹システムの構築、運用、保守です。生産管理や販売管理、人事や会計などは、このシステムが止まると企業全体の動きがストップしてしまうため、非常に重要な役割です。
3つ目が社内インフラの構築、運用、保守です。サーバーやパソコン、データベース、OS、メールソフト、チャットボットなど、仕事をするうえでなくてはならないITインフラを整備して、故障やウイルスなどから守るために適切なメンテナンスを行います。
4つ目はサポートセンター、ヘルプデスクとしての役割です。社内インフラ、例えばアプリケーションやソフトの使い方がわからない、パソコン使用中のハードの不具合解消方法などについての手ほどきをします。
情シスの業務形態は企業によって違いますが、主に4つの形態に分けることができます。
1つ目はひとり情シスと呼ばれる形態で、その名の通り1人で会社の情報システムを担当しています。情シスに対してコストをかけられない、かけたくない企業にありがちで、中小企業に多く見られます。
2つ目は情シスと他部署を兼任する形態です。ひとり情シスでもよくある形態で、やはり中小企業に多いようです。情報システムに不具合が出たりサポートセンターとしてほかの部署からの相談を受けたりすると対応に時間がかかりがちなため、ほかの業務はそっちのけになってしまうこともあります。
3つ目は情シスの仕事を複数人で分担しているケースです。前述した2ケースと比べて情シスとしての役割を果たしやすく、大企業に多く見られます。
4つ目は情報システム専門会社として独立しているパターンです。社内の基幹システムやインフラなどを開発・運用し、外部企業に向けて情シス代行などのサービスを販売しています。
日本の企業ではIT投資の費用対効果が少ないことから、情シスを経費削減の対象と考える経営者が多く存在しています。IT投資の費用対効果はIT大国アメリカの半分以下です。そこでアメリカのIT投資の中身を見ていきましょう。
アメリカの企業は1990年代からIT投資をしてきました。しかし、ただIT投資をするだけでは売上効果がないことがわかり、システムを構築するのと同時に大幅な組織改造、ビジネスモデルや現場でのルール改革などを行いました。現場に即したIT投資をすることで、IT投資の効果を大幅に増やすことができたのです。多くの日本企業はITの必要性を漠然と感じて売上や現場の声と結びつかないシステム構築をする傾向にあります。
企業として生き残りを図るためにも、情シスは従来の業務はもちろん現場で役立つシステム構築の提案と開発をすることが求められます。
情報システム部を設置している企業はどのくらいあるのでしょうか?
企業で働く社会人100名にアンケートを取りました。
【質問】あなたの会社では情報システム部門がありますか?
【回答結果】
ある:47
ない:53
調査地域:全国
調査対象:
【年齢】20 - 29 30 - 39 40 - 49 50 - 59 60
【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 学生 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年06月07日~2017年06月14日
有効回答数:100サンプル
アンケートの結果、半数の会社には情シスがあるとのことでした。
・セキュリティの事に関しては、外部の会社に委託しています。(40代/男性/正社員)
・小規模な会社なので専門にしている部署はなく詳しい人がその部門も担っている。(40代/女性/正社員)
「ない」との回答では、他部署と兼任しており特別に部署を設けていないということでした。
・情報漏えい防止のために配置しています。(30代/男性/正社員)
・勤務する会社では1000人以上の社員がパソコンを使用しており、基幹システムの構築や運用などのために、 複数の社員が情報システム部門で働いています。(40代/男性/正社員)
「ある」と回答したのはある程度規模の大きいか、セキュリティ問題を意識している企業が多いようです。
全体的にひとり情シスや他部署と兼任の場合も多く、部署として設置している、 設置していないという違いも大きいようですね。「ない」の回答では詳しいことはわからないという回答も見受けられました。
本来情シスは企業にとって大切な役割を担う、なくてはならない部署です。ただし何十年も前のようにシステムの運用と保守だけでOKという時代は終わりを告げました。
ITはさらなる進化を見せ、企業にとってはますます必要な技術になります。テクノロジーが変化を見せれば、 情シスの役割も変化するのは当然のこと。他部署と連携しながら現場で生きる企画や開発をすることが、 今後の情シスに必要だと言えるでしょう。
時間もコストも削減したい方必見! 「ひとり情シス」問題その解決策 とは!?
人手不足やエンジニア職の採用コストの増大に伴い、社内の情報システムを一人もしくは数人で支えている「ひとり情シス」が増えています。本資料では、このようなひとり情シス体制が、組織に及ぼすリスクと情シス担当者の業務上の悩みの両面に触れ、その解消案を解説しています。
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