インターネット回線のプランを選ぶ際によく見かける「ベストエフォート」や「帯域保証(ギャランティ)」「バースト」といった用語。それらの意味がよくわからず、結局どんな回線サービスを選択すればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか? 今回は、それぞれの用語を解説しつつ、インターネット回線のプランを選ぶ時のポイントなどもご紹介したいと思います。

インターネット回線の種類とは?

インターネット回線は、サービスの品質を一定レベルで保証するかどうかによって、下記の2つに分類されます。

・ベストエフォート型
・帯域保証(ギャランティ)型

では、それぞれについて解説していきましょう。

ベストエフォート型とは?

「ベストエフォート」とは「最善の努力、最大限努力する」という意味です。
通信の業界用語としての使い方は、通信回線の最大通信速度を上限として、それに近づくよう最大限に努力した設計になっていることを指します。サービスサイトやパンフレット等に記載されている速度数値は「理論上の最大値としての速度」であり、実際の通信速度(実測値)が記載されているわけではありません。
実測値は通信回線を使用している環境に左右され、速度を一定に保つことが難しいため、基本的には記載の最大速度より遅くなります。
例えば100Mbps「ベストエフォート」と謳うインターネット回線があった場合、0Mbps~上限100Mbpsの中でサービスを提供しますというものです。「最大限の努力」とはベンダーによってその内容が異なります。上限である100Mbpsに近い通信速度を保とうとすることでサービスの価値を高く維持している場合もあるでしょうが、元来「ベストエフォート」の時点で10Mbpsしか実測値が出ていない、という状況であっても致し方ないのです。共有型のインターネット回線など他のユーザとシェアして使うタイプのサービスである場合は、トラフィックが集中すれば理論値と実測値の乖離が大きくなるでしょうね。

帯域保証(ギャランティ)型とは?

指定の帯域を確保し、通信速度などの品質を保証してくれる回線です。
可用性や最低実測値を保証してくれるため、安定的な通信環境を常に使用できるといったメリットがあります。
デメリットとしては、ベストエフォート型に比べ、高額であることが挙げられます。
似た言葉に「帯域確保」というものがあります。
「帯域保証」も「帯域確保」も、指定の通信速度が維持できるように、提供する事業者が通信設備を増強したりして運用を行うという点では同じです。
例えば100Mbps「帯域保証」である場合は、100Mbpsの帯域を保証するのに対し、100Mbps「帯域確保」は100Mbpsに近い速度が出るように設備増強やトラフィックコントロールをしますということで、通常保証まではしません。
しかし「帯域確保」サービスでありながら一定の保証を付けているサービスも存在しますのでベンダーによって定義に若干の差異があるようです。

※ギャランティとは「保証や担保保障」という意味があります。

帯域保証はどこまでの速度が補償されるのか?

帯域保証の場合、インターネットからONUと呼ばれる回線終端装置までの帯域が保証されます。
ONU(Optical NetWork Unit)は電柱などから引き込まれている光ケーブルから送られてくる「光信号」を、デバイスで認識できる「デジタル信号」に変換する機器です(デジタル信号→光信号の変換も行っています)。
通常、ONUからルータを通じて各デバイスに接続されており、従業員がインターネットを利用できるようになります。
帯域保証でONUまでの帯域を保証するということは、ONU配下の従業員毎(デバイス毎)の帯域までは保証しないということですので予めご認識下さい。

バースト型とは?

ベストエフォート型とギャランティ型(帯域保証 or 帯域確保)以外に、もう1つ「バースト型」というものもありますね。バースト型はギャランティ型とベストエフォート型の両方の性質を持つものです。
提供される帯域のうち一部を確保してくれるため必要最低限の通信品質を担保することができます。
確保帯域を超えた場合は、ベストエフォートにて利用できます。
ベストエフォートとギャランティの良い部分を併せ持ったハイブリッドタイプなのがバースト型と言えるでしょう。
ギャランティ型を導入したいが契約帯域全てに保証がついては高額すぎる...、またギャランティ型の回線だと上限帯域が小さすぎる...と感じている企業、そして通常は太い帯域を要さないがピーク時には多量のトラフィック流量が見込まれる...という企業へは、確保帯域以上はベストエフォートで利用が可能なバースト型がお薦めです。

インターネット回線の選び方のポイント

どのインターネット回線を選べばいいか迷ったときには、専門家に相談してみるのが一番ですが、下記のポイントが参考になるかと思います。

とにかく価格重視!の方はベストエフォート型がおすすめ

インターネット回線を使用する人数が少ない、通信するデータ量がそこまで多くなく、回線速度が遅延しても業務に大きな支障がない場合は、コスト重視でベストエフォート型を選択してもよいでしょう。

企業におけるベストエフォート型のメリットやデメリットについて

日本におけるインターネット回線事業者の設備は充実しており、ベストエフォートでもある程度の速度で利用できることが多いです。
光ファイバの提供エリア内だが過疎地域であるという場合は、共有型のベストエフォート回線を使ったとしても実際に近隣にサービスをシェアするユーザがいなければ実質的には専有状態で使えていたり、そもそも従業員もそこまで多いというわけではなく、業務上インターネットは多用しないという企業も共有型のベストエフォート回線で充分というケースもあります。

一方で、自社利用ではなく商用のサーバを運用する為に使う回線であったり、インターネットが使えなくなったら多額の損失が出ると予想される業態の企業にとっては、ベストエフォートがデメリットになる可能性もあります。
企業だけでなくコンシューマ―ユーザのインターネット利用も爆発的に増えている現代においては、帯域保証型等の安定した回線を選ばざるを得ない企業もいることでしょう。

安定してインターネットを快適に使いたい方は帯域保証(ギャランティ)型に

ユーザ数ややりとりするデータ量から見て、インターネットをヘビーに利用する場合、また商用サーバを運用する場合は、帯域保証(ギャランティ)型を選択する方が良いかもしれません。
ビジネスに不可欠なインターネットですが、テレワークの普及に伴い、さらに回線品質の重要性が増しています。

──── ギャランティ型が向いている例 ────

ECサイトを運営している場合、オンラインセール期間中に想定以上にアクセスが集中して通信断が発生したとなれば、その間見込んでいた収益がゼロになってしまいます。セール開催の為の投資も無駄になってしまうかもしれません。
クラウド型のサービス等を提供している場合、通信断が発生すれば、その間、サービス提供ができないため、サービス品質に影響してしまいます。
上記のように、安定した回線がビジネスにとって不可欠な方は、高いコストを払ってでもギャランティ型を選択しましょう。

帯域保証型インターネット回線の導入が増えている理由とは

コロナ禍で急速に進んだテレワーク。各企業でのクラウドサービスの利用が一気に加速しました。
クラウド上でファイルを管理したり、Web会議で打ち合わせを実施したり、常時インターネットにつないで業務することが以前よりも当たり前になりました。
テレワークしている人は自宅の回線を使っているのだから会社のインターネット回線は関係ないんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
例えば、オフィスに出勤している時にはLANケーブル経由で社内のファイルサーバにアクセスしていた場合、社外からアクセスする際にはインターネット回線経由でのアクセスとなります。そのような従業員が数名ではなく、数百名、数千名となれば、オフィスのインターネットが混雑して、安定的な通信ができなくなるのは必然です。
また、世の中にテレワークが浸透したことで、普段オフラインで実施していたコミュニケーションがオンラインに移行しました(チャットツールの利用増やWeb会議の利用増など)。
特にWeb会議の利用などは、わざわざ会議室を確保しなくても、デスクからPCを持ち歩いて移動しなくても、会議資料を印刷しなくてもいいというようにメリットも多い為、出社している社員であってもクラウドツールを多用する様になっています。これらの要因が全て回線帯域を圧迫することにつながります。

業務を円滑に効率的に進めるためには、快適な通信を安定的に行えることが重要です。
そのため、企業においては、高品質なインターネット回線のニーズが高まっているといえるでしょう。

コストと通信品質を両立させるならバースト型

ベストエフォート型とギャランティ型、それぞれの要素を併せ持つバースト型であれば、それぞれのメリットを享受できます。
契約回線の全帯域を保証してもらうほどではないけれど、ベストエフォートでは心配…という企業におすすめです。

帯域保証だけじゃない?安定した回線を選ぶポイント

現在利用しているインターネット回線が近隣ユーザとシェアするタイプのモノである場合、より安定した回線を利用する為にはギャランティ型しかないというわけではありません。
ベストエフォート回線には「共有型」「専有型」の二種類あります。
専有型はその名の通り、1社につき1本の回線を割り当てますので、複数社で回線を共有している共有型に比べると、より理論値に近い通信速度が見込めます。
テレワークの浸透などによりクラウドの利用が増えている企業や、業務上高速な通信速度が必要な企業で現時点では共有型を利用しているという場合は、一社専有型のベストエフォート回線が適しているかもしれません。

帯域保証を選ぶよりも、専有型のベストエフォート型を選ぶ方が高速な通信を実現できるといったこともあるため、自社のインターネット回線を見直すときは検討の一つに入れるといいでしょう。
専有型回線について詳しく説明した記事はこちら

まとめ

インターネット回線の選定は、実際のところは敷設して使ってみないとパフォーマンスが分からないという要素もあり、容易ではありません。最適な回線を選択したい場合は、専門家への相談をおすすめしますが、下記のようなチェックリストもありますので、予め自身で確認してみるのもいかがでしょうか。
オフィスのインターネット環境を整えるチェックリストはこちら

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