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column_2162025.07.11

コーポレートエンジニアの仕事内容とは?情シス・社内SEとの違いや必要なスキルを解説

著者:情シスマン
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「コーポレートエンジニアって情シスや社内SEと何が違うの?」
「コーポレートエンジニアってどんな仕事をしているの?」

近年、多くの企業でDXが進み、社内のIT環境を整備・運用する担当者の重要性が高まっています。その中で注目を集めているのが、「コーポレートエンジニア」という役職です。しかし、情報システム部門や社内SEとの違いがわかりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「コーポレートエンジニアの仕事内容や役割」について詳しく解説します。「情シス・社内SEとの違い」や「コーポレートエンジニアに必要なスキル」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

〈この記事を読んでわかる内容〉

  • コーポレートエンジニアについて
  • コーポレートエンジニアと情シス・社内SEの違い
  • コーポレートエンジニアの仕事内容
  • コーポレートエンジニアに必要なスキル

コーポレートエンジニアとは

「コーポレートエンジニア」とは、企業の業務効率化や生産性向上を目的に、ITシステムやツールの導入・推進を担う職種です。「エンジニア」と聞くと顧客向けサービスを開発する人や客先常駐を想像してしまいがちですが、コーポレートエンジニアは“社内向け”にクラウドサービスの活用やシステム連携、自動化を通じて業務の最適化を図る役目を持っています。

コーポレートエンジニアという職種はアメリカのテック企業を中心に登場し、日本でも近年注目を集めるようになりました。背景には、クラウドサービスやSaaSの急速な普及、リモートワークの拡大などがあります。従来の情報システム部門だけでは変化のスピードに対応しきれなくなり、現場に近い立場で業務改善を推進する役割として、コーポレートエンジニアのニーズが高まってきたのです。

このように、コーポレートエンジニアは企業の成長と変革を内側から支える重要な存在として位置付けられています。

情シス・社内SEとの違い

「情シス」とは「情報システム担当」「情報システム部」の略称で、企業のITインフラ全体を統括し、ネットワークやサーバーの構築・運用、セキュリティ対策、社内システムの管理、デバイス類の整備など、ITに関する幅広い業務を担当します。

「社内SE」とは「社内システムエンジニア」の略称で、企業の社内システムに関するIT業務全般を担います。かつてはシステム開発が主でしたが、ITの進歩やパッケージシステム、クラウドサービスの普及で一定クオリティの業務システムが簡単に手に入るようになり、社内システムを自社開発する企業が減少しました。このような理由から、単なるシステム開発者としてだけではなく、IT関連業務全般を担う役割へと変遷していきました。

前述のように、「コーポレートエンジニア」は情シスや社内SEと比べて、業務効率化や生産性向上といった「攻め」の印象が強い役職です。しかし、実際にはそれぞれの役割は重なる部分も多く、明確な線引きがあるとは言い難いのが実情です。情報システム部門に所属する場合もあれば、DX推進やコーポレートIT部門のような部署に所属し、より「攻め」の役割を担っているケースもあるでしょう。

実際に求人情報でも、「情報システム担当(社内SE)」「コーポレートエンジニア(社内SE)」と併記されていることもあり、「その会社において何を求められているか」「どこまでの業務を担っているか」を正しく理解することが大切です。

情シスとは?求められる役割やスキル、社内SEとの違いについて解説
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コーポレートエンジニアの仕事内容と役割

コーポレートエンジニアの具体的な仕事内容は企業によって異なりますが、共通して言えるのは「社内の業務を支えるIT環境を、より安全に、より効率的に整える役割」を担っているということです。

ここでは、コーポレートエンジニアの代表的な仕事内容を7つに分けてご紹介します。

  1. クラウドサービスの選定・導入・運用管理
  2. サービス間の連携設計とAPI設計
  3. 情報セキュリティとゼロトラスト環境の整備
  4. 社内ネットワークの管理・最適化
  5. AI活用の推進
  6. ヘルプデスク対応
  7. ベンダーコントロール

1.クラウドサービスの選定・導入・運用管理

企業のDXが進む中、これまでオンプレミスで構築・運用されてきた基幹システムをクラウドサービスへと移行する動きが加速しています。コーポレートエンジニアの中心的な業務のひとつが、そういったクラウドサービスの選定・導入・運用管理です。業務効率化や生産性向上のために、現場が抱えている課題をヒアリングし、最適なツールを見極めて導入までを行います。

たとえば、グループウェア(Microsoft 365 や Google Workspace など)や請求書管理、勤怠管理、社内チャットなど、さまざまなSaaSが世の中には存在しており、それぞれ機能や価格、サポート体制が異なります。コーポレートエンジニアは、複数の選択肢の中から業務フローにフィットするかどうか、他のSaaSと連携がしやすいか、といった視点でツールを比較・検討します。

さらに、導入後にはアカウントの管理も欠かせません。複数のSaaSを運用する環境では、アカウント管理の負担が大きくなりやすく、運用が属人化したり、セキュリティリスクにつながることもあります。たとえば、以下のような対応が必要になります。

  • 社員の入退社や部署異動にあわせたアカウントの発行・削除
  • 権限の適正な設定と定期的な見直し
  • シングルサインオンの設定
  • 利用状況の把握と未使用アカウントの無効化

こうした煩雑な管理業務に対しては、外部サービスを活用するのもひとつの手です。SaaSを導入するだけでなく、運用と管理までを見据えて設計できることが、コーポレートエンジニアに求められる視点です。

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SaaSアカウントを効率的に管理することで、無駄をなくし、セキュリティを高めながらコスト削減を実現できます。
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また、企業のシステム基盤として、AWS や Microsoft Azure 、Google Cloud といったIaaSを活用するケースもますます増えています。コーポレートエンジニアには、こうしたクラウドインフラの知識や運用スキルも求められます。

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2.サービス間の連携設計とAPI設計

SaaSやIaaSの導入が一般化した現在、社内の業務は複数のクラウドサービスにまたがって構成されることが多くなりました。これらが業務効率化に寄与した一方で、システムやデータのサイロ化が課題視されるようになりました。そこで、ツール同士をつなぎ、データや操作を自動で連携させるツール間連携の重要性が改めて高まっています。

分かりやすい具体例でいうと、CRMツール(顧客関係管理)で取得した顧客情報を自動で Google スプレッドシートに書き出したり、定型的なファイル生成やデータの転記作業を Google Apps Script(GAS)でスクリプト化したりと、小さな業務改善を積み重ねることで大きな時間削減やミスの防止につながります。また、複数のSaaSを組み合わせて、ひとつの統合された業務システムのように機能させることもあります。

加えて、IaaS上に構築した業務用サーバーやデータベースと、SaaS間の連携をAPI経由で設計する場合もあります。クラウドインフラとSaaSが連携することで、より柔軟で拡張性の高い業務基盤を実現することができます。

このように、コーポレートエンジニアは業務部門の課題を理解したうえで、どのツール同士をどうつなぐのが最もスムーズかを設計・実装する役割を担います。ときには既存の業務フローを見直し、API連携を前提とした再設計が必要になることもあるでしょう。

3.情報セキュリティとゼロトラスト環境の整備

クラウドサービスの活用が進み、働く場所も多様化する中で、情報セキュリティの重要性が高まっています。従来のように「社内ネットワークにいれば安全」という前提は通用しなくなり、「ゼロトラスト環境の設計」も求められるようになりました。

こうした環境において、コーポレートエンジニアは社内のIT環境をセキュリティと利便性の両立がとれる形で設計・運用する役割を担います。たとえば以下のような取り組みが挙げられます。

  • アカウント・権限管理
  • パスワードポリシーや多要素認証の設定
  • ID管理の一元化(シングルサインオン、IDaaSの導入)
  • 端末ごとのセキュリティ設定やモバイルデバイス管理(MDMの導入)
  • 端末の監視・脅威検知(EDRの導入)

また、セキュリティはIT部門だけで完結するものではなく、社員全体のセキュリティリテラシーも重要です。コーポレートエンジニアがセキュリティポリシーや運用ルールの策定、社員教育を担う場合もあるでしょう。

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4.社内ネットワークの管理・最適化

従来は情シスが担っていた社内ネットワークの管理を、コーポレートエンジニアが担当している企業も見られます。具体的には、ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、アクセスポイントなど)の管理、拠点間VPNの設計・運用などが代表的な業務です。

また、クラウドサービスのトラフィックを前提としたネットワーク構成や帯域の最適化、ネットワーク監視の仕組みづくりなども重要なテーマです。さらに、ゼロトラストセキュリティの考え方を踏まえたネットワーク設計が求められる場面も増えています。

こうした業務は、社内全体の快適なIT利用やセキュリティに直結する領域であり、コーポレートエンジニアが環境を支える役割を果たす場面も増えつつあります。

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5.AI活用の推進

最近では、AIの活用を推進する役割もコーポレートエンジニアに求められています。たとえば、社内の問い合わせ対応を自動化するチャットボットの導入や、業務データを活用した分析の仕組みづくりなどが挙げられます。また、生成AIを活用した文書作成支援や、会議の自動要約などもAI活用の一環として注目されています。これらのAIは従業員の業務効率化や生産性向上に大きく貢献するでしょう。

6.ヘルプデスク対応

一般的に情シスや社内SEがヘルプデスク対応を担うことが多いですが、企業によってはコーポレートエンジニアが対応したりもします。特に、コーポレートエンジニアが管轄しがちなクラウドサービスの使い方やトラブルに対応するケースが多いでしょう。

ヘルプデスク業務は地味だと思われがちですが、社員が自立してITを使いこなせる環境をつくることもコーポレートエンジニアの重要な役割です。また、現場からの問い合わせを通じて、非効率な業務フローやITツール運用の問題点に気づき、業務効率化につながることもあるでしょう。

7.ベンダーコントロール

コーポレートエンジニアは、自社内の業務に閉じた役割だけでなく、外部ベンダーとの連携・調整を行う場面も少なくありません。システム開発やクラウド環境の構築、インフラ整備など、社内リソースだけでは対応が難しい業務において、外部の専門知識や技術をどう活用するかを見極める力が求められます。

ベンダーとのやり取りにおいては、スケジュール管理やコスト管理、品質チェックなどを行います。また、トラブル時の対応体制など、契約時や運用フェーズにおけるリスク管理も重要なポイントです。信頼できるベンダーと中長期的な関係を築くことで、より安定したIT基盤の運用が可能になるでしょう。

社内と社外の橋渡し役として、技術だけでなく、調整力・折衝力も含めたスキルが求められる領域です。

コーポレートエンジニアに必要なスキル

コーポレートエンジニアの業務は多岐にわたるため、すべてのスキルを完璧に備えることは現実的ではないでしょう。自社や志望先のIT環境・フェーズに応じてどんなスキルが必要かを見極め、少しずつ身につけていくことが大切です。

ここでは、代表的な仕事内容や役割を踏まえて、コーポレートエンジニアに求められるスキルをいくつかご紹介します。

クラウド・ネットワーク・セキュリティに関するITリテラシー

コーポレートエンジニアとして基礎になるのが、クラウドやネットワーク、セキュリティに関する幅広いITリテラシーです。近年は業務システムのクラウド化が進み、クラウドサービスを前提としたIT環境の構築・運用が求められます。

それに伴い、VPNやWi-Fi、ゼロトラストネットワークといったネットワーク設計や通信の仕組みへの理解も欠かせません。加えて、アカウント管理や端末制御、エンドポイント対策など、セキュリティ面の知識も重要です。

これらの技術は相互に関係しており、全体を俯瞰したうえでの設計・導入が求められる場面も多くあります。特定の専門分野に偏らず、広くITリテラシーを押さえておくことが現場での柔軟な対応につながります。

自動化・連携の技術

分かりやすいところだと Google Apps Script(GAS)やAPI連携などの技術があると、業務効率化のためのシステム間連携を柔軟に設計できるため、大きな強みになります。こうしたスキルを保有していると即戦力として活躍できる機会が広がるでしょう。

自組織に対する理解(事業・業務理解)

どれだけ優れたツールや技術を導入しても、それが現場で使われなければ意味がありません。コーポレートエンジニアは自社の業務フローや課題を深く理解し、業務に適した改善や提案が求められます。現場の担当者と対話を重ねながら、実際の使われ方や困りごとを把握し、それに合った技術や運用の仕組みをつくることが重要です。

また、自社が属する業界や事業構造への理解も必要です。業界特有の慣習や法規制、トレンドを理解することで、より適切なIT施策やツール選定につなげることができます。

コミュニケーション・調整力

コーポレートエンジニアの業務は、技術的なスキルだけでは完結しません。ベンダーとの折衝や業務部門との合意形成、社内への展開など、コミュニケーションが日常的に発生します。一概には言えませんが、企業のIT関連の職種の中でもコミュニケーションが非常に多い立場であるといえるでしょう。そのため、相手の立場を理解し、部署間の調整を円滑に行う力が求められます。

学習意欲・情報収集力

コーポレートエンジニアは、IT技術や業務の変化に対応するために継続的な学習が不可欠です。IT技術は日々進化しており、新しいツールやシステムが次々と登場しています。それに合わせて自身のスキルをアップデートしていくことが必要になるでしょう。

また、ツールやサービスを比較検討する際には、日ごろからの情報収集も重要です。ただ学ぶだけでなく、現場でどう活用できるかを考えながら吸収する姿勢が、業務効率化や生産性向上につながります。

まとめ

コーポレートエンジニアは、社内のIT環境を整えるだけでなく、業務効率化やセキュリティ強化、DXの推進など、組織の変革を支える重要な役割を担っています。クラウドサービスの普及、働き方の多様化などにより、ITに求められる水準は年々高まっています。こうした変化の中で、技術と業務の両面から支えるコーポレートエンジニアの存在感も、着実に大きくなっています。コーポレートエンジニアは、やりがいがあり、今後ますます注目される魅力的な職種といえるでしょう。

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