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column_2602025.12.06

BCP対策にクラウドPBXが効果的な理由|導入の4ステップと選び方を解説

著者:情シスマン
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「災害でオフィスが使えなくなり、顧客からの電話に誰も対応できなかった」
「オフィスに出社できない状態だと代表番号に着信があっても誰も対応できない」 

このような課題に苦慮している企業はまだまだ存在します。従来の交換機やPBXでは、緊急時や災害時に対応できないリスクがあります。

そこで今、災害対策やBCPの観点で関心を集めているのが、場所を問わず会社の電話番号が使える「クラウドPBX」です。クラウドPBXを導入することは、BCPの効果的な一手になります。

 この記事では、「BCP対策としてクラウドPBXを導入するメリット」について解説しています。導入するにあたって知っておきたい「具体的な導入手順」や「選び方のポイント」も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

<この記事でわかること>

  • BCP対策としてクラウドPBXを導入するメリット
  • クラウドPBXの導入手順
  • 失敗しないクラウドPBXの選び方

クラウドPBXとは?

クラウドPBXとは、クラウドサービスとして提供されるPBXです。事業者がデータセンターなどに設置するPBXをインターネット経由で利用するため、自社内にPBXを設置する必要がありません。

インターネット環境さえあれば場所を選ばず会社の電話番号で発着信が可能で、固定電話はもちろん、スマートフォンやPCにも対応しています。

【初心者必見】クラウドPBXとは?導入の注意点やメリット・デメリットを解説
本記事では「クラウドPBX」について詳しく解説します。メリット・デメリットや導入の際に知っておきたい注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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BCP対策としてクラウドPBXを導入するメリット

クラウドPBXは、BCP対策として非常に効果的です。従来の交換機やPBXと異なり、インターネット通信で電話を利用するため、場所を問わず会社の電話番号で通話ができます。

BCP対策としてクラウドPBXにはどのようなメリットがあるのか、以下に分けて詳しく解説します。

  • オフィスが使えなくてもスマホで会社番号が使える
  • サーバーが不要なため災害時も安心して使える
  • 運用負荷を軽減できる

オフィスが使えなくても会社の電話番号が使える

クラウドPBXの最大のメリットは、オフィスにいなくても各従業員のスマートフォンやPCから会社の代表番号で発着信ができる点です。

従来の交換機やPBXでは、会社の番号を使えるのが基本的にオフィス内の固定電話機に限られていたため、地震や台風などで出社できなくなると電話対応ができず、事業運営に支障が出ていました。

しかし、クラウドPBXを導入すれば、従業員が自宅や外出先から会社の電話番号で通話できます。顧客や取引先には通常通りの対応ができるため、仮に災害が起きても事業の継続性を高められます。また、平時でもリモートワークや外出の多い従業員にとって非常に便利と言えます。

機器が不要なため災害時も安心

従来の交換機やPBXは、オフィス内に物理的な機器を設置する必要がありました。そのため、地震や火災、水害などの災害で機器が破損した場合、電話機能が完全に停止してしまいます。復旧には機器の修理や交換が必要となり、時間とコストがかかるだけでなく、その間は企業として電話対応が困難になるという課題があります。

一方、クラウドPBXは事業者のデータセンターに設置されているPBXをインターネット経由で利用します。クラウドPBXを提供する多くの事業社は、複数のデータセンターでバックアップ体制を整えているため、可用性に優れています。サービス停止さえしなければ、インターネット環境があれば場所を選ばず会社の電話番号で発着信できるため、災害時でも事業を継続しやすくなります。

※サービスやネットワーク環境によっては「VoIPゲートウェイ」という機器を設置しなければならないケースもあります。

運用負荷を軽減できる

クラウドPBXは、従来の交換機やPBXと比較して運用負荷を軽減できます。

機器を社内に抱えている以上、定期的なメンテナンスや故障時の修理対応が求められますが、クラウドPBXはあくまで事業者が運用管理するPBXを利用するため、それらが必要ありません。

さらに、従来の交換機やPBXの場合、機能や設定の追加・変更には専門業者による現地対応が必要でしたが、クラウドPBXはWeb上の管理コンソールでそれらを実施できます

【初めてでも安心】BCP対策としてクラウドPBXを導入する4ステップ

BCP対策としてクラウドPBXを導入するには、計画的に進めることが重要です。以下の4段階に沿って進めてみましょう。

  1. 現在の事業継続リスクの洗い出しと目標設定をする
  2. クラウドPBXの機能や予算を比較検討する
  3. テストする
  4. 全社的なBCP対策の周知・教育をする

1.現在の事業継続リスクの洗い出しと目標設定をする

クラウドPBXを導入する前に、既存の電話環境が抱えるBCP観点のリスクを明確にし、導入の目標を設定するようにしましょう。そのためにも、まずは以下の2点を洗い出します。

  • 災害時に電話対応ができなくなるとどのような影響があるのか
  • 既存の電話環境の影響はどこか

例えば、オフィスが使えなくなった場合の代替手段がない、在宅勤務時に会社の番号で発着信できないといった課題を具体的にリストアップしていく形です。

その後、課題解決のための具体的な目標を設定しましょう。目標が定まると、必要な機能やサービスレベルも明確になります。なお、設定した目標は経営層や関係部署とも共有し、全社的な合意を得ておくことが重要です。

2.クラウドPBXの機能や費用を比較検討する

リスクと目標を明確にしたら、次は複数のクラウドPBXサービスを比較検討します。

サービスによって提供される機能や料金体系は異なるため、自社の要件に合ったものを選べるかが重要です。基本的な通話機能だけでなく、以下のような必要な機能をリストアップしておくと決めやすくなります。

  • 留守番電話
  • 通話録音
  • 自動音声応答
  • 他のツールとの連携機能

加えて、初期費用や月額費用、通話料金などの費用面も詳しく確認します。一見安価に見えても、必要な機能が追加オプションで別料金だった、といったこともあるので注意が必要です。

特にBCP対策においては、災害時や緊急時のサポート体制が充実しているかを必ず確認しましょう。

3.テストをする

導入するクラウドPBXが決まったら、本格導入の前にテスト導入をします。多くのクラウドPBXサービスは、検証などのためにトライアルを提供しています。自社の環境とマッチしているか、技術的な課題はないか、通話品質は問題ないか、社用スマホでアプリは正常に動作するか、などを確認しましょう。

テストが完了したら、導入を進めます。

4.全社的なBCP対策の周知・教育をする

クラウドPBXの導入が完了したら、全社員に対して使い方やBCP対策としての重要性を周知・教育しましょう。

BCP対策としてクラウドPBXを導入する場合は、災害時や緊急時の対応フローを明確にしておく必要があります。オフィスが使えなくなった場合は、各従業員が自宅から電話対応できるようにするなど、具体的な行動指針を示しておきましょう。

併せて、定期的に操作研修や災害時の対応訓練を実施し、社員全員がシステムを使いこなせる状態を維持すると安心です。

【失敗しない】BCP対策のためのクラウドPBXの選び方3選

クラウドPBXサービスは数多く存在するため、自社に最適なものを選ぶのは簡単ではありません。特にBCP対策として導入する場合は、以下の3つのポイントを重視して選びましょう。

  • 自社の環境に適しているかを確認する
  • 停電や災害時のサポート体制が充実しているかを確認する
  • 既存のツールとの連携機能を確認する

自社の環境に適しているかを確認する

BCP対策かどうかにかかわらず、クラウドPBXを導入する場合は「自社の環境と検討中のクラウドPBXサービスとの親和性」を必ず確認する必要があります。

サービス提供事業者に相談するのが早道ですが、自社でも確認する場合は以下に着目してみてください。

  • PCやスマホで使う場合、ソフトウェアやアプリの必要環境・推奨環境を満たせているか
  • 現在使用している番号は引き継げるか
  • FAXの利用頻度(多ければ注意が必要)

それぞれ簡単に解説します。

PCやスマホで使う場合、ソフトウェアやアプリの必要環境・推奨環境を満たせているか

BCP対策としてクラウドPBXを導入する場合、従業員に貸与しているPCやスマホから発着信できることが必須要件となります。

クラウドPBXのサービス提供事業者は、ソフトウェアやアプリの必要環境・推奨環境を公開しています。 要件を満たしていなければ動作しませんし、推奨環境外では動作が不安定になる可能性が高いです。緊急時に機能しなければBCP対策として意味を成さないため、必ずチェックしておきましょう。

また、通信キャリアを限定しているサービスもあるため、併せて確認してみてください。

場合によってはデバイスのリプレイスが必要になるかもしれません。

現在使用している番号は引き継げるか

さまざまな理由から、クラウドPBXの導入によって現在使用している番号が変わってしまうといったことがあり得ます。

例えば、そもそも市外局番に対応していなかったり、仕様上特定のエリアでは番号が引き継げなかったり、といった理由です。

番号の引き継ぎが必須であれば注意しましょう。

FAXの利用頻度(多ければ注意が必要)

通常の場合、クラウドPBXではアナログFAXは利用できません。

クラウドPBXを導入しつつFAXを使う場合は、アナログ回線を残したり、インターネットFAXを利用するなどの方法がありますが、アナログ回線を残す方法が一般的です。

FAXの利用頻度が高い場合や、事業のライフラインとも言える重要なツールである場合は、クラウドPBXの性質をよく理解した上で導入する必要があります。

災害時のサポート体制が充実しているかを確認する

BCP対策としてクラウドPBXを導入する場合、最も重要なのは災害時のサポート体制です。

緊急時に問題が発生しても迅速に対応してもらえるかどうかは、事業継続に直結します。以下のようなサポートがあるかは、必ず確認しましょう。

  • 24時間365日のサポート体制があるか
  • 電話やチャットですぐに相談できるか
  • 災害時の優先対応サービスがあるか

また、サービス提供会社自体のBCP対策も重要です。データセンターが複数の地域に分散配置されているか、バックアップ体制は万全かどうかも判断基準になります。

既存のツールとの連携機能を確認する

せっかくクラウドPBXを導入するのであれば、自社で利用している既存のツールと連携できた方が便利です。

グループウェアやチャットツールなどと連携できれば、普段の業務効率を向上させることができますし、BCP対策としても有用性が増します。

まとめ

クラウドPBXは、BCP対策として非常に効果的です。適切なサービスを導入することで、災害時や緊急時の事業継続性が大幅に向上します。

本記事を参考に、自社の環境やBCP対策における目標、予算などを照らし合わせ、運用可能なクラウドPBXの導入を検討してみてください。

「情シスマン」を運営するUSEN ICT Solutionsは、クラウドPBXやビジネスフォンを含むさまざまな電話ソリューションを提供しています。電話環境の新設やリプレイス、BCP対策でお困りの方は、ぜひご相談ください。

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