USEN GATE 02 が遅いのは本当なのか?ネットで見かける評判について

最近、「USEN GATE 02 遅い」という評判を見かけます。その噂は本当なのか、事実と照らし合わせながら、その真偽を検証していきたいと思います。
※本記事で解説している「USEN GATE 02」「USEN スピードテスト」は、どちらも「情シスマン」を運営する株式会社USEN ICT Solutionsが提供しています。

USEN GATE 02 が「遅い」と言われる理由について
【そもそも】インターネットの通信速度を測定できるサイトは「USEN スピードテスト」
「USEN GATE 02」のことを、インターネットの通信速度を測定するツールとして紹介しているサイトがありますが、スピードテストの正式名称は「USEN スピードテスト」であり、USEN GATE 02 ではありません。
USEN GATE 02 が何なのかについては後半でご紹介します。

【理由①】スピードテストの測定結果が遅いと感じたから
通信速度が遅いと感じたとき、とりあえずスピードテストサイトで速度測定をしてみる人は多いでしょう。しかし、測定結果が実際に速いのか遅いのかまで判断できる人は多くありません。
スピードテストサイトの名称を「USEN GATE 02」と勘違いしている、且つスピードテストの結果が遅いのかどうかを知りたい人が「USEN GATE 02 遅い」と検索しているのではないでしょうか。
【理由②】ほかのスピードテストと比べて遅い結果が出たから
USEN スピードテストで測定した結果、Google のインターネット速度テストや Fast.com と比べて“遅い”通信速度だった人が、「USEN GATE 02 遅い」と検索している可能性も高いです。
実際に「USEN GATE 02 遅い」というキーワードの検索結果を見ると、スピードテストに関するページが多い印象です。
スピードテストサイトごとに、測定結果に差が出る理由
スピードテストの測定結果は、サイトごとにばらつきが出ることがよくあります。ばらつきが出る原因には、以下のようなものが考えられます。条件によっては、Google や Fast.com の方が遅い結果になることもあるので、あくまで目安のようなものと考えておいた方が良いでしょう。
1.サーバーの場所とネットワーク経路
まず、考えられる原因がサーバーとの距離です。多くのスピードテストサイトでは、あるデータを送信して、計測サーバーに到達し、送り返されたデータが自身の元に戻ってくるまでの時間を計測して、通信速度を推定しています。スピードテストを行うサーバーがあなたのいる場所から遠いほど、データが往復する距離が長くなり、遅延が大きくなる可能性があります。
また、ネットワーク経路によっても、ばらつきが出る可能性があります。データが通過するネットワーク経路(ルーター、交換機、プロバイダーのネットワークなど)の状態によって、速度は大きく影響を受けます。経路が混雑していたり、品質が低い箇所があると速度が低下します。
さらに、測定しているユーザーが多く、テストを行うサーバー自体が混雑している場合にも、速度が遅くなることがあります。
2.テスト方法の違い
スピードテストサイトによって、使用するプロトコル(HTTP、TCPなど)やテスト方法が異なる場合があります。プロトコルとは、通信のルールや手順を定めたものです。データの送受信方法、データの形式、エラー処理の方法など、通信に関する詳細な手順やルールを定めているため、プロトコルが異なると、通信速度に差が出ることがあります。
多くのスピードテストサイトでは、あるデータを送信して、戻ってくるまでの時間を計測すると紹介しました。このとき、サイトによってテストで使用されるデータ転送量が異なるため、結果が異なることがあります。
3.測定時間帯
インターネット回線は時間帯によって混雑具合が異なります。一般的に、夜間や週末は利用者が多いため、速度が低下する傾向にあります。
4.デバイスと環境
スピードテストを行うデバイス(PC、スマートフォンなど)の性能によっても、測定結果が異なることがあります。
また、Wi-Fiで接続している場合、Wi-Fiの通信規格の違いや電波の強度・干渉などによって速度が変動します。安定した通信速度を計測するためには、有線接続することが有効です。
加えて、計測したいデバイスで他のアプリが動作していると、ネットワークリソースが消費され、速度テストの結果に影響を与えることがあります。できるだけ正確な通信速度を計測するためには、測定時には他のアプリは終了しておくようにしましょう。
より正確な測定結果を得るためには
前述したとおり、正確な測定結果を得るためには、有線接続したり、バックグラウンドのアプリは閉じておくことが有効です。
また、異なる時間帯でテストを行ったり、複数のサイトでテストを行ったりして、複数の測定結果を比較することで、より信頼性の高いデータを得ることができます。

スピードテストの測定結果が遅かった場合
何度か測定してもスピードテストの結果が遅いと感じる場合、原因を特定する必要があります。家庭(個人)と企業(法人)で異なる原因が考えられますが、代表的な例は以下の通りです。
家庭 |
|
---|---|
企業 |
|
家庭の場合は原因の特定が比較的簡単で、プロバイダーを変更したり、接続デバイスやルーターを再起動したりすることで改善するケースも多いです。プロバイダーの変更は少し労力がかかるため、まずは適切な方法で各種機器の再起動をしてみることをおすすめします。
一方、企業の場合は規模が大きければ大きいほどその判断が難しく、複合的な理由でインターネット速度の遅延が発生することもあります。企業における原因の特定方法は以下の資料にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。

「USEN GATE 02」は法人向けICTソリューション
スピードテストサイトの正式名称は「USEN スピードテスト」であることをご紹介しました。それでは、「USEN GATE 02」は、何を表すのでしょうか。
USEN GATE 02(ユウセンゲートゼロツー)とは、株式会社USEN ICT Solutionsと株式会社USEN Smart Worksの2社が提供する法人向けICTソリューションです。
USEN スピードテスト | 株式会社USEN ICT Solutionsが運営するスピードテストサイト |
---|---|
USEN GATE 02 | 株式会社USEN ICT Solutionsと株式会社USEN Smart Worksの2社が提供する法人向けICTソリューション |
USEN ICT SolutionsとUSEN Smart Worksは、USEN&U-NEXT GROUPの一員です。ほかにも、動画配信サービスを提供する株式会社U-NEXTや、店舗向けBGMを提供する株式会社USENなどが同じグループです。
上記2社が提供する USEN GATE 02 では、インターネット回線やVPN・閉域網、クラウド、セキュリティ、データセンター、など幅広いICTサービスが法人向けに展開されています。特にインターネット回線サービスは事業開始当初から20年以上にわたって提供されており、その一環としてUSEN スピードテストも無料で公開されているというわけです。
ちなみに「情シスマン」もUSEN ICT Solutionsによって運営されています。


USEN GATE 02 のインターネット回線サービスは遅い?
「USEN GATE 02 遅い」という評判については、おそらくUSEN スピードテストについて言及しているものだろうと解説しました。一方で、USEN GATE 02 で提供されるインターネット回線サービスが「遅い」と言われている可能性も捨てきれません。
実際に、USEN GATE 02 のインターネット回線サービスを導入しようと思っている方も、不安に思ってしまうかもしれません。
そこで本記事では、USEN GATE 02 の代表的なインターネット回線サービスである「プレミアインターネット」を例に、速いのか遅いのかを第三者機関の調査結果をもとに解説します。
USEN GATE 02 プレミアインターネットの通信速度に関する調査結果
速度測定サイトによるスループット比較
以下の表・図は、同等スペック(基本的には上下1Gbps)のベストエフォート型インターネット回線サービス4種類について、スループットを計測したものです。
プレミアインターネットは、上り(アップロード)・下り(ダウンロード)ともに、十分な数値が出ています。
プレミアインターネット | フレッツギガライン(OCN) | NUROスタンダード | ソフトバンクギガコネクト | |
---|---|---|---|---|
上り速度(Mbps) | 643 | 206 | 576 | 616 |
下り速度(Mbps) | 934 | 230 | 766 | 733 |
※矢野経済研究所「働き方改革を支えるインターネット環境の選定において重視すべきポイント」2021年3月発行の図表3を元に作成

pingコマンド実行によるRTTの測定比較
次に、以下の図は、4種類のクラウドサービス(AWS、Azure、Microsoft 365、Google Workspace、サイボウズ)にpingコマンドを実行し、往復の遅延時間(RTT)を3回測定した結果の平均値=下り速度(Mbps)を表しています。
数値が低ければ低いほど遅延が少ないということになりますが、こちらもプレミアインターネットは十分な値が出ています。
プレミアインターネット | フレッツギガライン(OCN) | NUROスタンダード | ソフトバンクギガコネクト | |
---|---|---|---|---|
AWS | 3.6 | 11.7 | 3.7 | 6.7 |
Azure | 36 | 45.2 | 33.9 | 40.6 |
Microsoft 365 | 1.2 | 24.9 | 1.7 | 4.6 |
Google Workspace | 1.0 | 15.6 | 1.0 | 4.1 |
サイボウズ | 1.0 | 4.2 | 1.7 | 4.1 |
※矢野経済研究所「働き方改革を支えるインターネット環境の選定において重視すべきポイント」2021年3月発行の図表4を元に作成
容量1GBのファイル転送時間における比較
最後に、以下の図は、容量1GBのファイルをクラウドサービスに3回アップロード/ダウンロードした場合における転送時間の平均値を表しています。
いずれのクラウドサービスでも、プレミアインターネットは短い時間で転送できています。
プレミアインターネット | フレッツギガライン(OCN) | NUROスタンダード | ソフトバンクギガコネクト | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上り(秒) | 下り(秒) | 上り(秒) | 下り(秒) | 上り(秒) | 下り(秒) | 上り(秒) | 下り(秒) | |
AWS | 38.8 | 12.4 | 122.5 | 106.9 | 44.4 | 15.9 | 51.8 | 17.9 |
Azure | 33.6 | 20.9 | 83.2 | 93.7 | 36.2 | 24.0 | 39.8 | 40.2 |
Microsoft 365 | 35.0 | 9.8 | 78.7 | 79.4 | 54.1 | 15.6 | 44.7 | 23.4 |
Google Workspace | 31.6 | 10.6 | 46.9 | 83.6 | 33.7 | 15.6 | 40.0 | 17.9 |
サイボウズ | 33.7 | 9.2 | 136.3 | 60.3 | 37.2 | 13.6 | 40.0 | 17.9 |
※矢野経済研究所「働き方改革を支えるインターネット環境の選定において重視すべきポイント」2021年3月発行の図表5を元に作成
これらの調査から、プレミアインターネットは十分に高い品質であることがわかります。
※<図表3~5>の測定事業者:アルテリア・ネットワークス株式会社
※<図表3~5>測定条件:比較数値は、回線ごとに朝(9:00~11:00)、昼(13:00~14:00)夕(17:30~19:00)の時間帯に計測した平均値
※<図表3~5>調査時期:2021年2月5日~2021年2月15日
※<図表3~5>各回線サービス提供事業者:アルテリア・ネットワークス株式会社(UCOM光 ファストギガビットアクセス)、東日本電信電話株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、株式会社(フレッツ光ネクストファミリー・ギガラインタイプ)、ソニービズネットワークス株式会社(NUROアクセススタンダード)、ソフトバンク株式会社(イーサネットアクセス(S)Gigaコネクト)
※掲載されている商品名・サービス名は各社の商標・登録商標です。2021年3月当時の情報のため、サービス名が変更になっている可能性があります。
USEN GATE 02 プレミアインターネットが高品質な理由
「専有型」のインターネット回線サービスだから
国内のインターネット回線サービスは、「共有型」と「専有型」に分類できます。共有型が光ファイバーをいくつかに分岐させて近隣のユーザー同士で共有する一方で、専有型は最寄りの局舎から1本の光ファイバーを1ユーザーに独占して提供します。
共有型の場合、共有しているユーザーで通信トラフィックが増えると、帯域が圧迫されて速度が出づらくなります。一般的な家庭向けのインターネット回線は共有型なので、夜間や週末などの混み合う時間帯に速度が遅くなるという経験をした方も多いでしょう。
一方、専有型は局舎までは他ユーザーの影響を受けないため安定した通信を維持できますが、プレミアインターネットはこの専有型が採用されています。

豊富なプランを用意しているから
前述の矢野経済研究所の調査において使用されているのはプレミアインターネットのベストエフォート型・上下1Gbpsのプランですが、ほかにもさまざまなプランがあります。
用途に応じて最適なプランを選ぶことで、コストを抑えながらパフォーマンスを最大化することができます。
品目 | 提供帯域 | 確保帯域 | |
---|---|---|---|
ベストエフォート型 | 100Mbps | 上下100Mbps | - |
200Mbps | 上り200Mbps/下り1Gbps | - | |
500Mbps | 上り500Mbps/下り1Gbps | - | |
1Gbps | 上下1Gbps | - | |
2.5Gbps | 上下2.5Gbps | - | |
5Gbps | 上下5Gbps | - | |
10Gbps | 上下10Gbps | - | |
帯域確保型 | 10Mbps | 上下1Gbps | 上下10Mbps |
30Mbps | 上下1Gbps | 上下30Mbps | |
50Mbps | 上下1Gbps | 上下50Mbps | |
100Mbps | 上下1Gbps | 上下100Mbps | |
200Mbps | 上下1Gbps | 上下200Mbps | |
500Mbps | 上下1Gbps | 上下500Mbps |

USEN&U-NEXT GROUPが提供するその他のインターネット回線
USEN&U-NEXT GROUPのグループ会社が提供するインターネット回線サービスはほかにもあります。
例えば、「USEN光 plus」や「USEN光01」などが挙げられますが、これらは別のグループ会社のサービスであり、USEN GATE 02 のサービスではありません。いずれもNTT東日本・NTT西日本が提供するフレッツ光を利用した光コラボレーションモデルのサービスなので、専有型ではなく共有型です。
サービス | 提供会社 | |
---|---|---|
専有型 | USEN GATE 02 プレミアインターネット | 株式会社USEN ICT Solutions |
共有型 | USEN光 plus | 株式会社USEN NETWORKS |
USEN光01 |

「USEN GATE 02 遅い」という評判は、おそらく「USEN スピードテストの測定結果が遅い」ということだと思われます。USEN スピードテストの測定結果が遅いと感じた際は、複数のテストサイトで測定したり、タイミングをずらして測定してみてください。
法人で USEN GATE 02 インターネット回線サービスの導入を検討しているなかで、「遅い」という評判が気になったという方もいるかもしれません。しかし、その品質の高さについては第三者機関にも証明※されています。それでも不安を感じられている方は、ぜひ一度USEN ICT Solutionsにご相談ください。