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column_2062025.06.11

情シスがいない“ゼロ情シス”だとどうなる?発生し得るリスクと解決策を徹底解説

著者:情シスマン
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「情シス担当が退職してしまった…」
「社内のITに関する相談、誰に聞けばいいんだろう?」
「ネットワークやシステムにトラブルが起きた時、どうすればいいんだろう?」

情報システム担当がいない会社では、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

近年では、経営資源などの観点から情シス担当を配置できない、所謂“ゼロ情シス”の企業も少なくありません。しかし、デジタル化が加速する現代のビジネス環境において、情シスがいない状態は様々なリスクを抱えているのも事実です。企業経営に大きな影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

そこで今回は、「情シスがいない状態(ゼロ情シス)が引き起こすリスク」について解説します。そういったリスクを少しでも解消する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

〈この記事を読んでわかる内容〉

  • ゼロ情シスとは何か
  • ゼロ情シスがもたらす具体的なリスク
  • ゼロ情シスを解決するための具体的な方法
  • 情シス不在時の適切な運用方法

情シスがいない“ゼロ情シス”とは

情シスがいない状態は、ゼロ情シスとも呼ばれます。まずはゼロ情シスがなぜ起こるのか詳しく見ていきましょう。

ゼロ情シスに陥ってしまう背景

企業がゼロ情シスになってしまうのには、様々な背景があります。以下はその代表的な例です。

  • 人材採用のコスト負担が大きい
  • 情シス人材が少なくなっている
  • 情シス部門の必要性を感じていない
  • 現状で大きな問題が発生していない

特に中小企業では、専任の情シス担当者を雇用するための人件費やシステム投資費用を捻出することが困難、あるいは経営層の理解がないといったケースが多く見られます。また、IT人材の獲得競争が激化する中、情報システム関連の専門知識を持った人材を確保すること自体も難しくなっています。

情シスがいなくてもなんとかなっていた場合、専任の情シス担当者を新たに設ける必要性を感じられないといったケースもあるでしょう。

【ちなみに】ゼロ情シスとひとり情シスの違い

ゼロ情シスと似ているものに「ひとり情シス」があります。両者の違いは、専任の情シス担当者がいるかどうかに注目するとわかりやすいでしょう。

  • ゼロ情シス=専任の情シス担当者がいない
  • ひとり情シス=専任の情シス担当者が1名いる

たとえひとりであっても、企業にとっては以下のようなメリットがあります。

  • IT関連の意思決定者が明確になる
  • 基本的なセキュリティ対策を実施できる
  • システムトラブルへの初期対応が可能
  • IT関連の予算管理や計画立案ができる

一方のゼロ情シスでは、これらの機能が欠如しているか、他部門の担当者が片手間で対応している場合がほとんどです。結果、様々なリスクが生じます。

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情シスがいない“ゼロ情シス”が引き起こす3大リスク

情シスがいないゼロ情シスが引き起こすリスクは、大きく3つあります。

  1. システムやネットワークのトラブル発生時に対応できない
  2. セキュリティ面が脆弱になる
  3. シャドーITが蔓延する

それぞれどのようなものか詳しく見ていきましょう。

1.システムやネットワークのトラブル発生時に対応できない

システムやネットワークの障害は、発生後の初期対応の早さが被害の大きさを左右します。

しかし、こういった障害への対応は専門的な知識を要します。例えば、システムであればサーバーやプログラム、ネットワークであればルーターやインターネット回線などに関する知識です。ゼロ情シスでは、多くの場合組織内にそれらの知識を持っている人がいないため、結果初期対応がとれず、長期間の業務停止や甚大な復旧コストを強いられてしまう可能性があります。

いずれも取引先や顧客に大きな影響を及ぼすため、事業継続にもかかわってきます。ゼロ情シスがいかにリスクの高い状態かが分かるでしょう。

2.セキュリティ面が脆弱になる

情報システムのセキュリティ対策には、日々の監視と迅速な対応が欠かせません。しかしゼロ情シスの企業では、基本的なセキュリティ対策が不十分になりがちです。例えば以下の問題点が挙げられます。

  • ウイルス対策ソフトの更新忘れ
  • セキュリティパッチの適用遅れ
  • アクセス権限の不適切な管理
  • パスワードポリシーの未整備
  • 不審なメールへの対応の遅れ

こうした問題は些細なものに思えますが、情報漏えいやサイバー攻撃といった重大な事故に繋がるリスクがあります。特に近年はサイバー攻撃が激化しているため、ゼロ情シスでセキュリティ面が脆弱な状態は、極めて危険といえるでしょう。

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3.シャドーITが蔓延する

シャドーITとは、会社に無断で私有のPCやスマホを使ったり、クラウドサービスを勝手に個人契約したりすることを指します。シャドーITは情報漏えいなどのセキュリティリスクを孕んでおり、一般的に対策を講じる必要があります。

一方で、ゼロ情シスの企業では「シャドーITが危険である」という認識自体が生まれない可能性があります。こうなると、シャドーITが当たり前になり、いつセキュリティ事故が起きてもおかしくない状態になってしまいます。

ITやセキュリティに関するリテラシーが停滞してしまうという点においても、ゼロ情シスは不適切な状態と言えます。

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ゼロ情シスのリスクを解消する5つの方法

ゼロ情シスにリスクがあると分かっていても、人材採用が難しかったり、経営層の理解がなかったりするのが多くの企業にとっての現実です。

ここでは、ゼロ情シス状態を少しでも改善する5つの方法をご紹介します。

  • アウトソーシングサービスを活用する
  • クラウドサービスを導入する
  • ITに詳しい社員を育成する
  • 社員向けIT研修でリテラシーを向上させる
  • 運用ルールの整備とマニュアルを作成する

アウトソーシングサービスを活用する

社内に専門人材を置かない代わりに、外部の専門家やサービスを活用する方法です。以下のような選択肢があります。

  • ITコンサルティング会社との契約
  • マネージドサービスの利用 
  • 情シス代行サービスの利用
  • セキュリティ監視サービスの導入
  • ヘルプデスクの外部委託
  • 定期的なIT監査の実施

外部リソースを活用することで、専門的なスキルやノウハウを必要な時に必要な分だけ活用できます。特に、中小企業ではコスト面でも現実的な選択肢となるでしょう。ただし、外部委託する範囲と社内で担う業務の線引きを明確にしておく必要があります。

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クラウドサービスを導入する

クラウドサービスの導入も、ゼロ情シスのリスクを解消するひとつの方法です。

クラウドサービスはサーバーなどの物理的なITインフラを必要としないため、運用管理のコストを下げられます。ビジネスの拡大に合わせてアカウントやリソースを増減できるのも大きなメリットでしょう。

大手のクラウドサービスであればセキュリティ面でも信頼性が高く、社内で同等の環境を構築・運用するよりも効率的と言えます。

ただし、思いつきでバラバラにクラウドサービスを導入してしまうと、かえって情報が分散し、管理が煩雑になる場合もあります。導入前に「何のために使うのか」「既存の業務とどうつなげるか」を整理し、用途や連携性を意識した選定が必要です。

さらに、困った時にすぐ相談できるよう、サポート体制がしっかりしたベンダーを選ぶことも安心につながります。導入して終わりではなく、使い続けられる体制を意識することで、クラウドサービスのメリットを最大限に活かすことができます。

ITに詳しい社員を育成する

企業によっては、情報システム部門を立ち上げるのはハードルが高いかもしれません。しかし、日頃からIT関連の相談ができる「社内の頼れる人」が1人いるだけでも、現場の不安や混乱は大きく減ります。

「ITに詳しい社員を育成する」と言っても、初めから高度なスキルを求める必要はありません。むしろ大切なのは少しずつ学べる機会を用意することです。情報システム担当者とはいかないまでも、ITに強い人材を育成することはやりようによっては可能です。以下のような取り組みを、できる範囲で検討してみましょう。

  • IT関連資格の取得支援
  • 外部セミナーへの参加
  • オンライン学習の活用
  • ベンダーによる技術研修

こうした取り組みを通じて「社内の頼れる人」は徐々に育っていきます。ただし、特定の社員に負担が集中しないよう、注意が必要です。ひとりの社員が主業務と情報システム業務を兼任している状態は、それはそれで問題です。これが続く限りは真にゼロ情シスのリスクが解消しているとは言えません。

「ITに詳しい社員を育成する」という方法をとる場合、まずは部門やチームごとに1名ずつ選出するなどして負荷を分散しましょう。

社員向けIT研修でリテラシーを向上させる

日々発生するITトラブルや情報漏えいの多くは、実は「知らなかった」「うっかりやってしまった」という人為的なミスによるものです。情シス担当者がいればこうしたリスクをある程度制御できますが、ゼロ情シスの状態では難しいのが現実です。

だからこそ、全社員のITリテラシーを高めて、多くの問題を未然に防ぐ体制を作っておくことが大切です。特に以下の項目については、定期的な研修や勉強会を実施することをおすすめします。

  • セキュリティ意識の向上
  • 基本的なトラブル対応
  • 適切なツールの使用方法
  • データ管理の重要性
  • コンプライアンスの徹底

この際に意識したいのが、実践的な内容を含める点です。座学だけでなく実際のインシデント事例を用いたケーススタディなど実務に通じる内容を盛り込み、より効果的な結果を得られるようにしましょう。

とはいえ、研修の内容をいちから考えて準備するのは簡単なことではありません。そこで、トレーニングや教育コンテンツがあらかじめ用意されたサービスを導入するのも1つの方法です。リアリティのあるトレーニングや、ITリテラシー向上に役立つ教材を継続的に提供してくれるサービスを活用すれば、無理なく効果的な社内教育を進めることができます。

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運用ルールの整備とマニュアルを作成する

どれだけ優れたツールや仕組みを導入しても、「どう使うか」「誰が対応するか」が曖昧なままでは機能しません。

まずは、日常業務で迷いがちな部分についてシンプルなルールを整えることから始めてみましょう。たとえば、次のような内容は明文化しておくと安心です。

  • データはどこに保存するのか
  • パスワードはどのように管理・更新するか
  • トラブルが起きた時、誰にどう連絡するか
  • ツールのアカウント発行や削除の手順
  • セキュリティ面で注意すべき行動やフロー

最初から完璧を目指す必要はありません。「よくある質問」や「最近困ったこと」から小さく始め、ルールを少しずつ育てていく感覚で進めましょう。また、こうしたマニュアルは一度作って終わりにするのではなく、定期的に見直すことも大切です。

まとめ

情シスがいない状態=“ゼロ情シス”は、多くのリスクを抱えています。とはいえ、情報システム部門を立ち上げたり、情シス担当者を雇ったりすることが現実的に難しい企業も多いでしょう。そういった環境では、自社に合わせた最適な対策を選択し、なるべく早く実行していけるかが重要です。

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