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column_1262024.03.28

データセンターの場所選びのポイント7選|国内・海外の違いも紹介

著者:情シスマン
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データセンターの場所を選ぶ際のポイントをご存知ですか?この記事では、データセンターを選ぶ際の重要なポイントについて解説します。

結論から言うと、データセンターは自社にとって利便性の高い場所を選ぶことが重要です。データセンターの場所を検討する際に役立つ「選ぶポイント」を調査し、結果をまとめていますので、ぜひご覧ください。

その他にも「データセンター」の説明や「国内・海外のデータセンターの違い」についても説明しています。データセンター選びにぜひお役立てください。

<この記事を読んでわかる内容>

  • データセンターとは何か
  • データセンターの場所の開示について
  • データセンターの場所選びについて
  • 国内・海外のデータセンターの違いについて

データセンターとは大量のデータを保管している場所のこと

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データセンターは、大量のデータを保存・処理する施設です。高度にIT化した社会を支える重要な施設であり、あらゆるデジタルサービスの運営に不可欠です。

具体的には、企業や組織が使用するコンピューターシステムやデータストレージシステムを収容する施設です。一般的には、サーバー、ネットワーク機器、ストレージデバイス、電源装置、冷却装置などをラックに収めて運用します。

データセンターの場所の開示について

セキュリティ対策として所在地はほとんど公開されていない

データセンターの場所は、セキュリティ上の理由からほとんど公開されていません。機密情報を保護し、サイバー攻撃や物理的な脅威からデータセンターを守るためです。

例えば、Amazon Web Services を提供する Amazon はデータセンターの正確な位置を公開していません。データセンターは外観からはわかりにくく設計されており、外から見ても特定は困難です。

データセンターの場所を公開しないことで、不正アクセスや破壊行為を防いでいるのです。

関東と関西に80%が集中している

経済産業省が2021年4月に発表した「デジタルインフラを巡る現状と課題」によると、国内データセンターの8割は関東・関西に立地しています。地方では小型のデータセンターが主流です。データセンターが関東・関西に立地する理由は、交通の利便性が高いということが大きいです。

しかし、災害対策の面では、この集中は問題となり得ます。2023年11月現在、経済産業省は「データセンター地方拠点整備事業費補助金」を進めていますが、進展はあまり見られません。100を超える地方公共団体からデータセンターの候補地が提示されていますが、今後の展開に注目が集まっています。当面は、関東・関西への集中は続くでしょう。

世界最大のデータセンター集積地はバージニア州

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データセンターの集積地は世界中にありますが、日本はアメリカ・中国に次いで世界3位です。

特に世界最大のデータセンター集積地は、アメリカのバージニア州です。Amazon、Google、Facebook、Microsoft などの大手企業がこぞってデータセンターを設置しています。

Synergy Research Group の2022年9月の調査結果「Virginia Still Has More Hyperscale Data Center Capacity Than Either Europe or China」によると、バージニア州はデータセンターに非常に適した土地だということです。

日本最大のデータセンターは東京

日本最大のデータセンターは、東京に位置する「アット東京中央センター」です。これは以下のような複数のセンターで構成されています。

データセンター名

サーバー面積(平方メートル)

アット東京中央センター

41,000

アット東京第2センター

2,400

アット東京第3センター

10,000

アット東京中央第2センター

15,000

アット東京が所有するデータセンター群のうち中核を成すアット東京中央センターは、サーバー室だけでも約4万平方メートルあり、延べ床面積は約14万平方メートルに及びます。このデータセンターでは、アット東京が提供する標準ラックの他に、ユーザーが選択したサーバーを設定することも可能です。国内外の金融・証券企業やクラウドプロバイダーに利用されており、信頼性の高いデータセンターと言えます。

大まかな場所だけを開示されている場合もある

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データセンターの場所はほとんど公開されていませんが、一方で大まかな場所だけが公開されているケースもあります。以下がその理由です。

  • 地域社会との関係構築
  • 地域の雇用創出
  • 環境への影響を配慮

Google が自社サービスの利便性向上のために、千葉県印西市のデータセンターを公表したのもそうした理由が背景にあります。開示されている場合も「○○県○○市」というところまでで、細かい場所までは特定できないようにされています。

内部は迷路のように複雑

データセンターの内部は、迷路のように複雑に設計されています。セキュリティの強化と効率的な運用を実現するためです。

内部にはサーバーラックや冷却システム、電源設備などが配置され、最適な環境でデータが管理されています。

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クラウドサービスとの違い

データセンターと混同しやすいものに、クラウドサービスがあります。似ているように感じるかもしれませんが、両者は明確に違います。

データセンターは、物理的な施設で、サーバーやストレージなどのハードウェアを直接管理します。

クラウドサービスは、インターネットを通じて提供されるサービスで、物理的な場所に依存しません。データセンターの機能だけを提供する形態のことと考えればイメージしやすいでしょう。裏側の仕組みとしては、クラウドサービスを提供するためのサーバーもデータセンターに保管されています。

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データセンター選びにおける重要なポイント7選

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データセンターを選ぶ際、意識しておきたいポイントがあります。特に以下の7つは重要です。

  • 地震や災害対策ができているか
  • バックアップ体制は整っているか
  • 回線設備は充実しているか
  • 物理的なセキュリティが徹底されているか
  • 利便性の高い立地か
  • 空きラック・スペースがあるか
  • 予算内か

地震や災害対策ができているか

データセンター選びで最も重要なのが、地震や自然災害への対策です。日本は地震大国なので、地震への対策は入念に確認しましょう。例えば以下のような対策です。

  • 耐震構造・免震構造の施設を選ぶ
  • 津波や洪水などの水害が来ない地域を選ぶ
  • 土砂災害の心配がない地域を選ぶ

災害対策の観点で、データセンター事業者がどのような対策を施しているのかを確認しておくと良いでしょう。

DR(ディザスタリカバリ)の観点から考えれば、自社から遠い地域に拠点を置くと、リスク分散に繋がります。関東圏内・関西圏内といった形で、程よく離れた距離がオススメです。

バックアップ体制は整っているか

データセンター選びには、バックアップ体制も重要なポイントのひとつです。

万が一の事態に備え、データのバックアップが可能な体制が整っているかどうかを確認しましょう。大震災のような避けようのない事態でも別の拠点にバックアップを取得していれば、データを復元することができます。

また、データ自体のバックアップだけでなく、電源や回線など、設備に障害が発生した際にもそれらのバックアップがあると安心です。

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回線設備は充実しているか

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回線設備が充実しているかどうかも確認してください。データの利用における性能に直結するためです。

特に、インターネットを通じて多くのユーザーからアクセスされるサービスを提供する場合には、高速で安定したインターネット回線が必須です。ユーザーが利用しようとしたときに、通信速度が遅く、安定しないサービスだと、ユーザーが離れかねません。自社のサービスを快適に使ってもらうためにも、回線設備が充実しているかどうかはデータセンター選びの重要なポイントです。

物理的なセキュリティが徹底されているか

データセンターの設備について、物理的なセキュリティ対策が施されているかどうかも大切です。

きわめて稀ですが、一部の人はデータセンターに侵入して物理的にサーバーを破壊しようとしたり、不正アクセスを試みたりすることがあります。こうした行為からデータセンターを守るためには、物理的なセキュリティ対策が大切です。監視カメラの設置や入退室管理システムの導入などを確認しましょう。

利便性の高い立地か

データセンターが利便性の高い立地かどうかも大切です。アクセスのしやすさは、緊急時の対応速度やメンテナンスのしやすさに直結します。

ただし、立地の良さが重要なのは、サーバーの格納スペースのみを借りて、運用は自社で行う「ハウジングサービス」を利用する場合に限ります。サーバーの運用をデータセンター事業者に任せる「ホスティングサービス」では、利用者が直接メンテナンスを行うことはありません。この場合、立地に関してはあまり気にする必要はないでしょう。

空きラック・スペースがあるか

将来の拡張を見越して、データセンター内の空きラックやスペースの有無も確認しましょう。データ量の増加に伴い、追加のサーバー設置が必要になる可能性があるためです。

もし、契約しているラックやスペース以外に空きがないと、拡張しようとしたときに、他のデータセンターを探さなければなりません。しかし、データセンターに空きラック・スペースがあれば、サーバーを増やしたとしても1つのサーバーセンターに集約できるため、管理の手間が省けます。

将来的に増設を検討しているのならば、空きラック・スペースのあるデータセンターを選びましょう。

予算内か

データセンターに限ったことではありませんが、何かサービスを選ぶにあたって重要なのはコストです。求める利便性やセキュリティとコストのバランスをみて、適切なデータセンターを選びましょう。

データセンターを利用するということは、1度きりの導入コストではなく、長期的な運用コストが発生するので、総合的に判断する必要があります。

データセンターの立地:国内・海外の違い

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データセンターは、国内や海外の様々な場所に設置されています。国内を選ぶ場合は、先述したポイントを基準に選ぶことができますが、海外の利用を検討している場合は、以下の点を比較し、検討することをおすすめします。

国内

海外

費用

比較的高額

比較的安価

自然災害

リスク高

リスク低

治安

リスク小

リスク大

セキュリティ

リスク小

リスク大

コミュニケーション

容易

難しい

電力供給

安定

不安定

国内・海外の費用の違い

データセンターの費用は、国内よりも海外の方が抑えられる傾向にあります。特にアジア圏では顕著です。以下の費用が主に関係しています。

  • 人件費
  • 電力コスト
  • 機器コスト
  • 税制優遇

国内では土地の取得価格が高額な上、耐震・免震工事が必要になるため、費用がかかります。一方、海外の寒冷な地域では冷却にかかる電力をほとんど使用しないなど、電力コストが抑えられます。

地域の特性に基づいた価格設定がされていますが、海外の方が費用を抑えられることが多いと言えます。

国内・海外における自然災害の発生リスク

日本は地震をはじめとした災害が多く発生する国です。津波や土砂災害、豪雨などの自然災害も局所的に発生します。自然災害によるリスクは海外と比べて高いと言えます。そのため、自然災害が起こりにくい海外にデータセンターを設置することで、自然災害による被害のリスクを低減することができます。

例えば、総務省の「東日本大震災と事業継続」によると、東日本大震災時にデータ損失の被害があった企業や自治体は全体の33.1%に上ります。少しでも影響があったと回答した企業は全体の50.9%を占めます。

海外のデータセンターを利用すると、このような災害リスクを軽減できます。ただし、海外にも自然災害のリスクが高い地域もあるため、事前に情報を調査することが重要です。

国内・海外における治安の違い

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日本は世界でもトップクラスに治安の良い国です。暴動や略奪、強盗などの事件の発生件数は年々減少しています。治安の面では、海外と比べて圧倒的に安心です。

一方で、海外のデータセンターを選ぶ際には、治安の悪い地域を選んでしまわないように注意が必要です。具体的にはテロ、暴動、地域紛争、クーデターなどです。特に中東やアフリカの一部地域では、治安の面での不安要素があります。治安を重視する場合は、国内を選ぶことをおすすめします。

国内・海外におけるセキュリティの違い

セキュリティの観点では、国内のデータセンターの方が安心感があります。国内の多くのデータセンター事業者が以下のような対策を実施しています。

  • 24時間体制で監視カメラを使用した有人監視
  • 生体認証やICカードなどを用いた入退室管理
  • 警備員の常駐
  • 火災予兆検知システムの設置
  • バックアップ発電機の導入

セキュリティ面での対策はしっかりと行われています。もちろん、海外でも日本と同等かそれ以上のセキュリティ対策を施しているデータセンターも存在します。自社にとってどの程度ならば安心できるかという基準を設けて判断すると良いでしょう。

国内・海外におけるコミュニケーションの違い

コミュニケーションの観点では、国内データセンターに圧倒的に分があります。日本語サポートに対応していますし、日本独自の商習慣や文化を使ってやり取りができます。もしトラブルが生じてもスムーズな対応が可能です。

一方、海外のデータセンターでは日本語以外のやり取りとなるため、コミュニケーションの行き違いが発生する可能性があります。トラブルの復旧に時間がかかったり、確認のために飛行機で移動したりといったケースも考えられます。

データセンター事業者とスムーズにやり取りするのであれば、国内が最適です。

国内・海外における電力供給の違い

電力供給についても、国内のデータセンターに分があります。電力や水道、ガスといったインフラ設備が整備されているためです。多少の停電があっても、速やかに復旧します。

海外ではインフラ設備が十分に整っていないケースがあります。欧米のような先進諸国では安定した電力供給を期待できますが、希有な例です。

データセンターの拠点を海外で検討している場合は、電力などのインフラ設備に関しては必ずチェックしましょう。

自社にとって最適なデータセンターを利用しよう

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データセンターは、自社のデータを保管・運用する重要な場所です。セキュリティ対策として詳しい場所を開示しないほど、万全の体制で運営されています。選ぶ際は、地震などの災害対策はもちろん、利便性や空きラック・スペースなど使いやすさを含めて総合的に判断しましょう。

もし海外のデータセンターを選ぶ際は、治安やインフラのような国内とは違う部分まで調べてください。リスクも大きいため、慎重に地域の情報を調べることをオススメします。

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