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column_2592025.11.28

災害に強いデータセンターとは?BCPを強化する選び方と導入手順を解説

著者:情シスマン
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「地震でサーバールームが被災し、基幹システムがダウンしてしまった」
「停電が長時間続き、システムが停止して業務が完全にストップしてしまった」

現代のビジネスにおいて、ITシステムが止まることは事業の継続そのものを脅かす重大なリスクと言えます。しかし、自社内のサーバールームで、耐震性、電源確保、セキュリティ対策といった「止まらない環境」を完璧に作り上げるには、多大なコストと専門知識が必要になります。

このような状況で関心を集めているのが、災害に強い設備と体制を備えたデータセンターの活用です。

そこで今回は、災害に強いデータセンターについて解説します。選び方のポイントや導入手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

<この記事でわかること>

  • データセンターが必要な理由
  • 災害に強いデータセンターの特徴
  • データセンター導入の6ステップ

なぜ今、災害対策(BCP)にデータセンターが必要なのか?

そもそもBCPとは?

BCP(Business Continuity Plan)とは、災害やテロ、システム障害などの緊急事態が発生した際に、損害を最小限に抑え、中核となる事業を継続、あるいは早期復旧させるための計画のことです。

ここで重要なのは、BCPは単なる「防災対策」ではないということです。 「サーバーなどの機器が壊れないようにする(防災)」だけでなく、「たとえ災害が起きても、ビジネスを止めない(継続)」ことこそがBCPの本質です。

ITシステムが停止すれば、受注業務や物流、決済、顧客対応など、あらゆるビジネス活動がストップします。「ITシステムのBCP(IT-BCP)」=「企業の生存戦略」と言っても過言ではありません。

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自社運用(オンプレミス)の課題とリスク

オフィスビル内での自社運用(オンプレミス)には、BCPの観点から見ると以下のような脆弱性があります。

  • 建物の耐震性への不安
  • 電源供給の限界
  • 空調停止による熱暴走
  • 物理セキュリティと入館制限

建物の耐震性への不安

一般的なオフィスビルは「人が逃げるための耐震基準」で作られていますが、サーバーなどの精密機器を守るための基準とは異なります。震度6以上の揺れでラックが転倒したり、機器が破損したりするリスクがあります。

電源供給の限界

災害による長時間の停電時、オフィスビルの非常用電源は「消火設備」や「避難用エレベーター」が優先され、サーバールームへの給電が維持される保証はありません。また、法定点検による年1回の計画停電への対応も負担となります。

空調停止による熱暴走

休日や夜間、あるいは停電時にビルの空調が止まると、サーバールーム内の温度が急上昇し、システムダウン(熱暴走)を引き起こす可能性があります。

物理セキュリティと入館制限

被災時、建物自体が立入禁止(入館制限)になると、担当者がサーバーの復旧作業に向かいたくても、物理的にアクセスできなくなる事態が想定されます。

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データセンターを利用するメリット

データセンターを利用する主なメリットは以下3点です。

  • 自然災害への対策を強化できる
  • セキュリティレベルを上げられる
  • 運用リソースを削減できる

自然災害への対策を強化できる

BCPとしてデータセンターを活用する最大のメリットは、自然災害への対策を強化できる点にあります。

データセンターは、そもそも地震や水害などの災害リスクが低い地域に建設されており、建物自体も高い耐震性や防水性を備えているため、万が一の災害時にもデータを物理的に保護できます。

一方、自社でサーバールームを持つ場合、建物の耐震補強や防水工事を実施するには莫大な費用が必要となり、コスト面から対応が難しい企業も少なくありません。データセンターを利用すれば、こうした高度な設備を自社で整える必要がなくなります。

セキュリティレベルを上げられる

データセンターは、企業の重要な資産であるシステムやサーバーを、物理的な脅威から守る手段としても有効です。部外者の侵入や機器の盗難、破壊行為を徹底的に防ぐ何重ものセキュリティ対策が施されています。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 厳重な入退室管理(ICカード、生体認証、共連れ防止ゲートなど)
  • 監視カメラ
  • 24時間365日の有人警備

都内などに建つ最新のオフィスであれば、これらがある程度用意されているかもしれませんが、全ての企業がそういったオフィスに入居できるわけではありません。一方で、自社でこれらの対策をオフィス内に構築するには、多額の設備投資や運用監視を行うための人的コストが必要となります。

しかし、データセンターを利用すれば、そういった環境を比較的手軽に手に入れることができます。

運用リソースを削減できる

自社でサーバーを管理する場合、機器の設定やメンテナンスといった業務に加え、空調管理や電源設備の点検、物理セキュリティの確保など、いわゆる「ファシリティ管理」にも多くの工数を割くことになります。これらを24時間365日体制で維持するには、専門的な知識と継続的な労力が必要です。

データセンターを利用することによって、こうしたファシリティ管理を任せることができます。社内のシステム担当者は、設備の保守点検といった物理的な管理業務から解放され、本来注力すべきIT戦略や運用業務に専念できるようになるでしょう。

データセンターとは何をするところ?利用方法や選び方まで紹介
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災害に強いデータセンターの3つの特徴

BCPとしてデータセンターを選定する際、その施設が本当に災害に強いのかどうかを見極めることが重要です。以下3つの点を確認しましょう。

  • 地震や水害に強い立地に建っている
  • 適切な耐震・制震・免振構造で設計されている
  • 停電しても自家発電で24時間365日稼働し続ける

地震や水害に強い立地に建っている

災害に強いデータセンターは、立地選びの段階から徹底的に災害リスクが考慮されています。ハザードマップを詳細に分析し、自然災害のリスクが最小限の場所に建設されることが特徴です。具体的には、以下の条件を満たす場所が選ばれます。

  • 地震の揺れが比較的小さい地盤の固い場所
  • 津波や洪水のリスクが低い高台
  • 活断層から離れた地域

適切な耐震・制震・免振構造で設計されている

災害に強いデータセンターは、建物自体も高い耐震基準を満たしており、大きな地震にも耐えられる構造を備えています。 また、揺れだけでなく水害対策も徹底されているでしょう。重要な設備は地上階や高層階に配置されるなど、万が一浸水しても被害を最小限に抑える設計が施されています。

停電しても自家発電で24時間365日稼働し続ける

災害に強いデータセンターは、停電時にも契約者のサーバー稼働を維持できるよう、強固な電源設備と体制を構築しています。具体的には、大規模な自家発電設備と複数のUPS(無停電電源装置)を設置し、外部からの電力供給が途絶えても、データセンターによっては数日から数週間にわたり自立した電力供給が可能です。

また、電源系統を二重にして冗長化を図ることで、片方の系統にトラブルが発生しても、もう一方の系統で継続的に電力を供給できる体制を整えているデータセンターもあります。

システムを24時間365日止めることなく稼働し続けられるこの電源体制は、災害時における事業継続(BCP)に不可欠な要素と言えます。

データセンター移設の6ステップ

災害対策(BCP)の要となるデータセンターにサーバーなどを移設し、事業継続性を確立するためには、計画的なプロセスが不可欠です。以下6つのステップに沿って進めていきましょう。

  1. 守りたいシステムや機器、目標復旧時間(RTO)を明確化する
  2. 希望条件に合うデータセンターを比較検討する
  3. 災害リスクが低く、冗長性が図れる立地かを確認する
  4. 過去の災害時の稼働実績と復旧体制を確認する
  5. 実際に見学して自分の目で確かめる
  6. 移設計画を策定し、移設する

ステップ① 守りたいシステムや機器、目標復旧時間(RTO)を明確化する

データセンターを検討するにあたってまず実施したいのは、事業継続に不可欠なシステム(顧客情報、財務データ、基幹システムなど)や機器(サーバーやルーターなど)を特定し、優先度を明確にすることです。

すべてのデータを同じ優先度で扱うことは現実的ではないため、特に重要なシステムについて「災害発生からどれくらいの時間で復旧させる必要があるか」という目標復旧時間(RTO)を具体的に設定します。この基準は、経営層や各部署の責任者を巻き込んで、導入前に必ず決めておきましょう。

ステップ② 希望条件に合うデータセンターを比較検討する

ステップ①でRTOなどの目標が明確になったら、複数のデータセンターを比較検討します。以下の項目を総合的に評価し、災害対策の充実度とコストのバランスを見極めましょう。

  • 立地
  • 建物の耐震性
  • 電源設備
  • セキュリティレベル
  • バックアップ体制
  • 料金体系
  • サポート内容

日本の非営利団体であるJDCC(日本データセンター協会)が「データセンターファシリティスタンダードの概要」という基準を定義しています。客観的な信頼性を判断する一つの目安として、このような公的な基準も参考にするとよいでしょう。

正しいデータセンターの選び方|データセンターの品質を表す「Tier」とは?
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ステップ③ 災害リスクが低く、冗長性が図れる立地かを確認する

データセンターの候補が絞り込めたら、その立地の災害リスクを自分で確認するのも大切です。

国土交通省や自治体が公開しているハザードマップを使い、候補となるデータセンターの立地が、地震の揺れやすさ、津波や洪水の浸水想定区域などに該当しないかを詳しく調べましょう。

また、オフィスに対して冗長性が期待できる立地を選ぶことも重要です。

例えば静岡県に本社があったとして、四国のデータセンターを選定したとします。物理的には距離があるためBCP対策として有効そうに思えますが、内閣府によれば、いずれも南海トラフ地震の想定震源域に含まれています。

参考:内閣府「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン(令和7年8月改訂)」

このあたりまで考慮すると自社だけで確認するのは難しくなってくるため、データセンター事業者に聞いてみても良いでしょう。

ステップ④ 過去の災害時の稼働実績と復旧体制を確認する

データセンターの真価は、実際に災害が発生した時にどう対応したかで判断できます。

候補となるデータセンターに対し、過去の大地震や台風などの災害時に、どのように稼働し続けたのかという具体的な実績を聞いてみましょう。システムダウンの有無や復旧にかかった時間、顧客へ与えた影響など、詳細な情報の確認が重要です。

ステップ⑤ 実際に見学して自分の目で確かめる

カタログや説明だけでは分からないようなこともあるため、可能な限りデータセンターを実際に見学することが大切です。見学時には、以下の項目を自分の目で確かめましょう。

  • 駐車場(近辺を含む)の有無
  • 最寄り駅からのアクセス
  • 周辺環境
  • 入館方法
  • スタッフの対応の丁寧さ

疑問点や不安な点は遠慮なく質問し、納得できる回答を得てから契約に進むようにしましょう。

全国に50ヵ所以上のデータセンターを見学できます。以下のフォームからご希望の条件をご入力ください。

ステップ⑥ 移設計画を策定し、移設する

契約するデータセンターが決まったら、実際に対象のサーバーなどを移設します。移設中はその機器にアクセスできなくなるため、綿密な移設計画とリハーサルが必要です。データセンター事業者によっては、オプションのような形で輸送サービスを設けていることもあるため、ぜひ検討してみましょう。

移設が完了しても安心はできません。実際にシステムや機器が正常に稼働するかを、一定期間監視し続ける必要があります。重要なシステムほど移設には大変な労力とプレッシャーがかかりますが、運用が始まればBCP対策として大きな一歩になります。

BCPを盤石にする「DR(ディザスタリカバリ)」の重要性

耐震性が高く、電源が安定したデータセンターを選定することは、BCPの「守り」の基本です。しかし、想定外の広域災害(巨大地震やパンデミックなど)に備えるためには、さらに一歩踏み込んだ「DR(Disaster Recovery:災害復旧)」の視点も重要です。

「データセンターに移したから安心」で終わらせず、万が一メインのセンターが機能不全に陥った場合でも、事業を止めないための仕組みづくりについて解説します。

バックアップとDRの違いとは?

よく混同されがちですが、「データバックアップ」と「DR」は目的が異なります。

データバックアップ

データを複製して保存すること、データが消えないことが目的

DR(ディザスタリカバリ)

システム全体を復旧させ、業務を再開させること、事業を再開することが目的

例えば、データだけをテープやHDDにバックアップしていても、災害時にそれを読み込むためのサーバー本体や、動かすためのプログラム、ネットワーク環境がなければ、業務は再開できません。 「データだけでなく、システム環境そのものをどう復旧させるか」を計画しておくことが重要です。

ディザスタリカバリとは|RPOとRTO&BCPや冗長化との違い
ディザスタリカバリは、単にデータなどの情報を守るだけのものではありません。災害時のリスクを最小に抑え、企業としての信頼を守るためのディザスタリカバリについてご説明します。
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リスクを分散する「遠隔地バックアップ」

DRを検討する際、最も重要なのが「メインサイトとバックアップサイトの距離」です。

もし、メインのデータセンターとバックアップ用のデータセンターが同じ都市や、近隣のエリアにあった場合、巨大地震や広域停電で共倒れになるリスクがあります。

日本の企業でよく採用されるのが、「東京(関東)と大阪(関西)」や「東京と北海道/九州」といった形で、電力会社の管轄が異なるエリアに分散させる手法です。これにより、片方の地域が壊滅的な被害を受けても、もう片方でシステムを稼働させることが可能になります。

データセンターとクラウドのハイブリッド構成

「遠隔地に予備のデータセンターを借りて、サーバーを二重に用意するのはコストがかかりすぎる」と考える企業にとって、有効な選択肢となるのがデータセンターとクラウドを組み合わせるハイブリッド活用です。

顧客情報や勘定系システムなど、絶対に漏えい・停止が許されないものは、セキュリティの高いデータセンターで管理し、万が一の時の切り替え先や、一時的なデータ保管先として、パブリッククラウド(AWS や Microsoft Azure など)を利用するといった形です。

このようにデータセンターとクラウドを組み合わせることで、コストを抑えつつ、柔軟で強固なBCP/DR環境を構築する企業が増えています。

データセンターとクラウドのメリット・デメリットやハイブリッド構成については、以下のお役立ち資料で詳しく解説しています。無料でダウンロードできるため、ぜひチェックしてみてください。

ニューノーマル時代のデータロケーションの在り方~サーバ運用を見直す好機!!~
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まとめ

災害に強いデータセンターは、現代企業にとって欠かせないBCPの要です。適切なデータセンターを選び計画的に導入することで、自然災害やさまざまなリスクからデータを守れます。

データセンターを選ぶ際は、料金の安さだけでなく災害対策の充実度や立地の安全性、サポート体制など総合的に評価する必要があります。必要であれば実際に施設を見学し、納得したうえで選択しましょう。

「情シスマン」を運営するUSEN ICT Solutionsは、全国に50ヵ所のデータセンターから、立地やセキュリティ、運用サポート、予算などに合わせ、数あるデータセンターから最適なデータセンターを選定し、ご提案します。

自社に最適なデータセンター選定にお悩みの方や、まずは相場感を知りたいという方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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