AWS 環境を守る!EDRとエンドポイントセキュリティ徹底ガイド

AWS 環境を狙ったサイバー攻撃は、日々進化しています。ランサムウェアによる身代金要求、機密情報の窃取、システムの改ざんなど、その手口は巧妙化の一途をたどっており、従来のセキュリティ対策では防ぎきれないケースも増えています。
特に、エンドポイント(PC、サーバー、モバイルデバイスなど)は、攻撃者にとって格好の標的となりやすく、脆弱性を悪用されることで、AWS 環境全体に被害が拡大する可能性があります。
本記事では、AWS 環境におけるエンドポイントセキュリティの現状と課題を解説するとともに、EDRを活用した最新の対策について詳しく解説します。
クラウドセキュリティの重要性とエンドポイントの脆弱性
企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、ビジネスの俊敏性向上、コスト削減などを背景に、クラウドサービスの利用は急速に拡大しています。特に AWS(Amazon Web Services)は、その柔軟性と拡張性から、多くの企業にとって不可欠なインフラストラクチャとなりつつあります。
しかし、クラウド環境への移行は、同時に新たなセキュリティリスクをもたらすことも事実です。従来のオンプレミス環境とは異なるアーキテクチャ、共有責任モデル、そして攻撃対象領域の拡大など、クラウド特有のセキュリティ課題に適切に対応する必要があります。
クラウドシフトの加速とセキュリティリスクの増大
クラウドシフトは、企業に多くのメリットをもたらす一方で、セキュリティリスクの増大という課題も抱えています。オンプレミス環境からクラウド環境への移行は、単なるインフラの置き換えではなく、セキュリティ対策の考え方そのものを変える必要性を意味します。
拡大する攻撃対象領域
クラウド環境では、仮想マシン、コンテナ、サーバーレス関数など、多様なリソースが利用されます。これらのリソースは、それぞれ異なる脆弱性を抱えており、攻撃者にとって侵入の機会が増加します。
複雑化する設定
クラウド環境の設定は複雑であり、人的ミスによる設定不備が発生しやすい傾向にあります。例えば、ストレージへの不適切なアクセス権設定、セキュリティグループの誤った設定などは、情報漏えいや不正アクセスの原因となります。
進化する脅威
クラウド環境を標的とした攻撃は、日々高度化・巧妙化しています。従来のセキュリティ対策では検知できない未知の脅威(ゼロデイ攻撃など)も増加しており、より高度なセキュリティ対策が求められています。
共有責任モデル
クラウド環境では、AWS と利用者の間で責任範囲が分担される「共有責任モデル」が適用されます。利用者は、自身が管理する領域(データ、アプリケーション、OSなど)のセキュリティに責任を持つ必要があり、AWS が提供するセキュリティ機能だけでは不十分な場合があります。
エンドポイントが狙われる理由:侵入経路としての脆弱性
エンドポイントは、ユーザーが直接操作するデバイスであり、クラウド環境へのアクセスポイントとなるため、攻撃者にとって格好の標的となります。エンドポイントが狙われる主な理由は以下の通りです。
ユーザーの脆弱性
ユーザーは、フィッシング詐欺やソーシャルエンジニアリング攻撃に騙されやすく、悪意のあるリンクをクリックしたり、不正な添付ファイルを開いたりする可能性があります。
ソフトウェアの脆弱性
エンドポイントで動作するOSやアプリケーションには、常に脆弱性が存在する可能性があります。これらの脆弱性を悪用されると、マルウェア感染や不正アクセスを招く可能性があります。
管理の不徹底
エンドポイントのセキュリティ対策(アンチウイルスソフトの導入、OSやソフトウェアのアップデートなど)が徹底されていない場合、攻撃者にとって侵入が容易になります。
BYOD(Bring Your Own Device)
従業員が私物のデバイスを業務に利用する場合、セキュリティ対策が不十分なデバイスがクラウド環境にアクセスすることで、セキュリティリスクが増大します。
エンドポイントが侵害されると、そこからクラウド環境への侵入を許してしまう可能性があります。攻撃者は、盗んだ認証情報を使って AWS リソースにアクセスしたり、マルウェアを拡散させたり、機密情報を窃取したりすることができます。
AWS 環境におけるエンドポイントセキュリティの重要性
AWS 環境におけるエンドポイントセキュリティは、クラウド全体のセキュリティを確保する上で非常に重要な要素です。AWS 環境では、EC2 インスタンス、Lambda 関数、コンテナなど、様々なエンドポイントが動作しており、これらのエンドポイントを保護することで、以下のようなメリットが得られます。
脅威の早期検知
エンドポイントで不審な挙動を検知することで、クラウド環境への侵入を未然に防ぐことができます。
被害の局所化
エンドポイントが侵害された場合でも、被害範囲を局所化し、クラウド環境全体への影響を最小限に抑えることができます。
インシデント対応の迅速化
エンドポイントで発生したインシデントに対して、迅速かつ効果的に対応することで、被害を最小限に抑えることができます。
AWS 環境におけるエンドポイントセキュリティ対策としては、EDRの導入、アンチウイルスソフトの導入、脆弱性管理、アクセス制御、セキュリティ教育など、多岐にわたる対策を組み合わせることが重要です。
エンドポイントセキュリティの基礎
エンドポイントセキュリティとは、企業ネットワークに接続されるエンドポイントを、マルウェア感染、情報漏えい、不正アクセスなどの脅威から保護するための対策です。
エンドポイントとは?
エンドポイントとは、企業ネットワークに接続され、データの送受信を行う末端のデバイスのことです。具体的には、以下のようなものが含まれます。
定義:PC、サーバー、モバイルデバイスなど
- PC(パソコン):デスクトップPC、ノートPCなど、従業員が業務で使用する一般的なコンピューター。
- サーバー:ファイルサーバー、Webサーバー、データベースサーバーなど、ネットワーク上でサービスを提供するコンピューター。
- モバイルデバイス:スマートフォン、タブレットなど、従業員が業務で使用する携帯端末。
- 仮想デスクトップ(VDI):仮想化されたデスクトップ環境。
- IoTデバイス:プリンター、監視カメラ、POS端末など、ネットワークに接続された機器。
これらのエンドポイントは、それぞれ異なるOS、アプリケーション、設定を持っており、セキュリティ対策の状況も異なります。そのため、エンドポイントセキュリティ対策は、これらの多様性を考慮して実施する必要があります。
オンプレミスとクラウドにおけるエンドポイントの違い
オンプレミス環境とクラウド環境では、エンドポイントの管理方法やセキュリティ対策にいくつかの違いがあります。これらの違いを理解することは、効果的なエンドポイントセキュリティ対策を講じる上で非常に重要です。
- オンプレミス:エンドポイントの管理は自社で行い、物理的なデバイスの設置場所やネットワーク構成も自社で管理します。セキュリティ対策も自社で構築・運用する必要があり、管理範囲は自社ネットワーク内に限定されます。
- クラウド:エンドポイントの一部(例:クラウド上の仮想サーバー)はクラウドプロバイダーが管理し、物理的なインフラやネットワーク構成は意識する必要がありません。ただし、OSやアプリケーション、データなどのセキュリティは利用者の責任となります。また、従業員が社外からクラウドにアクセスする場合、管理範囲は社内外に及び、より広範なセキュリティ対策が必要となります。
エンドポイントセキュリティの必要性
エンドポイントは、マルウェア感染、情報漏えい、不正アクセスなど、様々なセキュリティリスクにさらされています。
- マルウェア感染:ランサムウェア、ウイルス、トロイの木馬などのマルウェアは、エンドポイントに侵入し、データの暗号化、システムの破壊、機密情報の窃取など、様々な被害をもたらします。
- 情報漏えい:機密情報や個人情報が、エンドポイントから外部に漏えいするリスクがあります。漏えい経路としては、マルウェア感染による情報窃取、内部不正による持ち出し、誤操作による誤送信などが考えられます。
- 不正アクセス:攻撃者がエンドポイントを乗っ取り、不正にネットワークにアクセスしたり、機密情報にアクセスしたりするリスクがあります。
これらのリスクは、企業のビジネス継続性を脅かすだけでなく、顧客からの信頼を失墜させ、法的責任を問われる可能性もあります。
多層防御におけるエンドポイントセキュリティの位置づけ
多層防御とは、複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、単一の対策が突破された場合でも、他の対策で防御できるようにする考え方です。エンドポイントセキュリティは、多層防御において重要な役割を担っています。
- 侵入防御:エンドポイントセキュリティは、マルウェアがエンドポイントに侵入するのを防ぐ役割を担います。アンチウイルスソフト、ファイアウォール、侵入検知システム(IDS)などが、この役割を果たします。
- 内部拡散防止:マルウェアがエンドポイントに侵入した場合でも、エンドポイントセキュリティは、そのマルウェアがネットワーク内に拡散するのを防ぐ役割を担います。EDRなどが、この役割を果たします。
- データ保護:エンドポイントセキュリティは、エンドポイントに保存されているデータを保護する役割を担います。暗号化、アクセス制御、データ損失防止(DLP)などが、この役割を果たします。
エンドポイントセキュリティは、多層防御の最後の砦として、企業全体のセキュリティを強化する上で非常に重要な要素です。
ゼロトラストセキュリティとの関連性
ゼロトラストセキュリティとは、「何も信頼しない」という前提に基づき、全てのアクセスを検証するセキュリティモデルです。エンドポイントセキュリティは、ゼロトラストセキュリティを実現するための重要な要素の一つです。
- デバイスの信頼性検証:ゼロトラストセキュリティでは、エンドポイントがネットワークにアクセスする前に、そのデバイスのセキュリティ状態を検証します。OSのバージョン、セキュリティパッチの適用状況、アンチウイルスソフトの稼働状況などを確認し、安全なデバイスであることを確認します。
- ユーザー認証の強化:ゼロトラストセキュリティでは、多要素認証(MFA)などを利用して、ユーザー認証を強化します。これにより、アカウントの乗っ取りによる不正アクセスを防ぐことができます。
- 最小権限の原則:ゼロトラストセキュリティでは、ユーザーに必要最小限の権限のみを付与します。これにより、エンドポイントが侵害された場合でも、被害範囲を最小限に抑えることができます。
エンドポイントセキュリティは、ゼロトラストセキュリティの実現に不可欠な要素であり、両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。

EDRとは?
EDR(Endpoint Detection and Response)とは、エンドポイントの挙動を継続的に監視し、異常な活動や悪意のある兆候を検知して、インシデント対応を支援するセキュリティソリューションです。従来のアンチウイルスソフトでは対応が難しかった高度な脅威や未知のマルウェアに対抗することができます。
EDRの定義と機能
EDRは、以下の主要な機能を提供することで、エンドポイントを保護し、インシデント対応を支援します。
エンドポイントの挙動監視、脅威検知、インシデント対応
- エンドポイントの挙動監視:EDRは、エンドポイントで実行されるプロセス、ネットワーク通信、ファイルアクセスなど、あらゆる挙動をリアルタイムで監視します。
- 脅威検知:EDRは、収集した挙動データに基づいて、既知のマルウェアだけでなく、未知のマルウェアや不審な活動を検知します。機械学習や行動分析などの高度な技術を活用して、誤検知を減らし、検知精度を高めています。
- インシデント対応:EDRは、脅威を検知した場合、その脅威に関する詳細な情報(感染経路、影響範囲、攻撃者の目的など)を提供し、インシデント対応を支援します。また、隔離、駆除、復旧などの対応措置を自動化する機能も提供します。
従来のアンチウイルスソフトとの違い:振る舞い検知と分析
従来のアンチウイルスソフト(EPP|Endpoint Protection Platform)とEDRの最大の違いは、脅威の検知方法にあります。EPPは、主に「シグネチャベース」の検知方式を採用しています。これは、既知のマルウェアのファイルやプログラムコードのパターン(シグネチャ)をデータベースに登録しておき、エンドポイント上のファイルやプロセスがそのシグネチャと一致するかどうかを照合することで脅威を検知する方法です。
しかし、この方式では、未知のマルウェアや、シグネチャがまだ登録されていない新しい亜種のマルウェアを検知することは困難です。攻撃者は、既存のマルウェアを少し改変するだけで、EPPの検知を回避することができます。
一方、EDRは、「振る舞い検知」と「分析」というアプローチを採用しています。これは、エンドポイント上で実行されるプロセス、ネットワーク通信、ファイルアクセスなど、あらゆる挙動を監視し、それらの挙動が通常とは異なる不審なパターンを示す場合に、脅威として検知する方法です。
EDRは、収集した挙動データを分析し、脅威の特定、影響範囲の特定、攻撃者の目的の分析などを行います。これにより、インシデント対応を迅速かつ効果的に行うことができます。

AWS 環境におけるEDRの活用
AWS 環境におけるEDRの活用は、クラウドネイティブなセキュリティを実現する上で不可欠です。AWS 環境特有の脅威や課題に対応するため、AWS ネイティブなエンドポイントセキュリティサービスや、サードパーティ製のEDRソリューションを効果的に活用することが重要となります。
AWS ネイティブなエンドポイントセキュリティサービス
AWS は、EDRの機能を補完する様々なセキュリティサービスを提供しています。これらのサービスを組み合わせることで、AWS 環境全体を包括的に保護することが可能です。
Amazon GuardDuty:脅威インテリジェンスによる監視
Amazon GuardDuty は、脅威インテリジェンス、機械学習、および異常検知を使用して、AWS 環境内の悪意のあるアクティビティを継続的に監視するマネージド型の脅威検出サービスです。GuardDuty は、VPC Flow Logs、CloudTrail イベントログ、およびDNSログを分析し、不正なアクセス、マルウェアの存在、または予期しない動作などの潜在的なセキュリティの問題を特定します。
AWS Security Hub:セキュリティアラートの一元管理
AWS Security Hub は、AWS 環境全体のセキュリティアラートとセキュリティ態勢を一元的に表示するサービスです。Security Hub は、GuardDuty、Amazon Inspector、IAM Access Analyzer などの AWS セキュリティサービスからのアラートを集約し、セキュリティ担当者が優先順位をつけて対応できるようにします。また、Security Hub は、CIS Benchmarks や PCI DSS などの業界標準に照らして AWS 環境のセキュリティ構成を評価し、改善のための推奨事項を提供します。
Amazon Inspector:脆弱性スキャン
Amazon Inspector は、EC2 インスタンスやコンテナイメージの脆弱性とセキュリティ構成の問題を自動的にスキャンする脆弱性評価サービスです。Inspector は、OSの脆弱性、アプリケーションの脆弱性、およびネットワーク構成の問題を検出し、セキュリティリスクを軽減するための推奨事項を提供します。
サードパーティ製EDR製品の選定ポイント
AWS 環境にEDRを導入する際には、AWS のネイティブサービスを導入する以外にも、サードパーティ製のサービスを選択することもできます。サードパーティ製のサービスを選定する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
AWS との統合性
EDR製品が AWS の各種サービス(CloudTrail、VPC Flow Logs、S3、EC2、Lambda など)と緊密に連携できることが重要です。AWS のログデータを活用することで、より詳細な分析が可能になり、脅威の検知精度を向上させることができます。また、AWS Marketplace での提供や、AWS のAPIとの統合が容易であることも、導入と運用を効率化する上で重要な要素となります。
クラウドネイティブなアーキテクチャ
EDR製品が、AWS のクラウドネイティブなアーキテクチャ(スケーラビリティ、可用性、耐障害性)に対応していることが重要です。オートスケーリング、サーバーレスアーキテクチャ、コンテナ技術などを活用することで、柔軟かつ効率的な運用が可能になります。また、AWS のリージョンやアベイラビリティゾーンを跨いだ冗長構成に対応していることも、事業継続性を確保する上で重要な要素となります。
可視性と分析機能
AWS 環境全体を可視化し、セキュリティイベントを分析するための強力な機能が求められます。AWS のリソース、ユーザー、ネットワークトラフィックなどを包括的に監視し、異常なアクティビティを迅速に特定できることが重要です。また、機械学習や行動分析などの高度な技術を活用することで、未知の脅威や内部不正のリスクを低減することができます。
自動化とオーケストレーション
インシデント対応を自動化し、ワークフローを効率化するための機能が重要です。脅威の検知から隔離、修復までのプロセスを自動化することで、セキュリティ担当者の負担を軽減し、迅速な対応を可能にします。また、AWS の Lambda や Step Functions などのサービスと連携することで、より複雑なインシデント対応ワークフローを構築することができます。
コスト効率
EDR製品の導入・運用コストを最適化することが重要です。AWS Marketplace でのBYOL(Bring Your Own License)モデルの提供や、従量課金モデルの採用など、柔軟な料金体系を持つ製品を選ぶことで、コストを削減することができます。また、リソースの自動プロビジョニングや自動スケールなどの機能を活用することで、運用コストを最適化することができます。
これらのポイントを考慮して、自社の AWS 環境に最適なEDR製品を選定し、適切に導入・運用することで、クラウド環境におけるセキュリティを大幅に向上させることができます。
エンドポイントセキュリティ対策のベストプラクティス
エンドポイントセキュリティは、組織全体のセキュリティ体制を維持するための重要な要素です。エンドポイントは、攻撃者にとって侵入の足がかりとなりやすく、一度侵害されると組織全体に被害が拡大する可能性があります。そのため、エンドポイントを適切に保護するための対策を講じることが不可欠です。
基本的なセキュリティ対策
エンドポイントセキュリティ対策の基本は、OSやソフトウェアのアップデート、強力なパスワードポリシーの適用、多要素認証の導入、不要なサービスの停止など、基本的なセキュリティ対策を徹底することです。これらの対策は、既知の脆弱性を悪用した攻撃や、パスワードの漏えいによる不正アクセスなどを防ぐ上で非常に効果的です。
- OSとソフトウェアの最新アップデート
- 強力なパスワードポリシーの適用
- 多要素認証(MFA)の導入
- 不要なサービスの停止
EDRの効果的な運用
EDRは、エンドポイントにおける脅威を検知し、対応するための強力なツールですが、その効果を最大限に引き出すためには、適切な運用が不可欠です。EDRの導入だけでなく、アラートのトリアージ、インシデントレスポンス計画の策定、脅威インテリジェンスの活用、そしてセキュリティ教育と訓練を継続的に行うことが重要です。
アラートの適切なトリアージと優先順位付け
EDRは、大量のアラートを生成する可能性があります。すべてのアラートに同じように対応することは非効率であり、重要なアラートを見逃すリスクもあります。そのため、アラートを適切にトリアージし、優先順位を付けることが重要です。
インシデントレスポンス計画の策定と定期的な訓練
インシデントレスポンス計画は、セキュリティインシデントが発生した場合の対応手順をまとめたものです。EDRによって脅威が検知された場合、迅速かつ効果的に対応するために、インシデントレスポンス計画を策定し、定期的な訓練を実施することが重要です。
脅威インテリジェンスの活用とルールの最適化
脅威インテリジェンスは、最新の脅威に関する情報(攻撃者の手口、マルウェアの特性、脆弱性情報など)です。脅威インテリジェンスを活用することで、EDRの検知精度を向上させ、未知の脅威にも対応することができます。また、EDRのルールを定期的に最適化することで、誤検知を減らし、パフォーマンスを向上させることができます。
セキュリティ教育と訓練
エンドポイントを利用するユーザーは、セキュリティ対策の重要な一部です。ユーザーがセキュリティに関する知識を持ち、適切な行動をとることで、エンドポイントのセキュリティリスクを大幅に低減することができます。そのため、セキュリティ教育と訓練を継続的に実施することが重要です。
その他の推奨事項
エンドポイントセキュリティ対策をさらに強化するために、EDRの導入や基本的な対策に加えて、定期的な脆弱性診断の実施、セキュリティログの収集と分析、バックアップと復旧体制の整備、サプライチェーンセキュリティの強化など、以下の推奨事項を検討してください。
定期的な脆弱性診断の実施
脆弱性診断は、システムやアプリケーションに存在するセキュリティ上の脆弱性を発見するためのテストです。定期的に脆弱性診断を実施することで、攻撃者が悪用する可能性のある脆弱性を事前に特定し、対策を講じることができます。
セキュリティログの収集と分析
セキュリティログは、システムやアプリケーションの動作に関する記録です。セキュリティログを収集し、分析することで、異常なアクティビティやセキュリティインシデントの兆候を早期に発見することができます。
バックアップと復旧体制の整備
ランサムウェア攻撃や災害などによって、エンドポイントのデータが失われた場合に備えて、バックアップと復旧体制を整備することが重要です。定期的なバックアップを実施し、復旧手順を確立しておくことで、事業継続性を確保することができます。
サプライチェーンセキュリティの強化
サプライチェーンとは、製品やサービスを提供する上で関わるすべての企業や組織のつながりのことです。サプライチェーンのどこかに脆弱性があると、そこから攻撃者が侵入し、組織全体に被害が及ぶ可能性があります。そのため、サプライチェーン全体のセキュリティを強化することが重要です。
EDRは、AWS 環境におけるセキュリティ対策を強化する効果的なソリューションです。リアルタイムでの監視や未知の脅威への対応が可能となり、多層的なセキュリティを実現できます。
USEN GATE 02 では、さまざまなEDRソリューションを提供しています。AWS 環境のセキュリティ強化をご検討中の方はぜひご相談ください。
