Microsoft Azure 導入はパートナー契約がおすすめ?メリット・デメリットや選び方を徹底解説

システムの基盤として、多くの企業で導入が進む Microsoft Azure。 導入にあたり、Microsoft との直接契約のほかに、「パートナー(代理店)」を経由して契約する方法があることをご存知でしょうか。
この記事では、Infrastructure (Azure) の Microsoft ソリューション パートナーであるUSEN ICT Solutionsが、Azure のパートナーとは何か、パートナー経由で利用するメリット・デメリット、そして自社に最適なパートナーを見つける具体的な方法を解説します。
Azure の新規導入を検討している企業も、既に利用中でコストや運用に課題を感じている企業も、ぜひ参考にしてみてください。
※「情シスマン」を運営するUSEN ICT Solutionsは Infrastructure (Azure) の Microsoft ソリューション パートナーです。
※本記事では、CSP パートナーについて記載しています。
※2025年8月時点の情報を掲載しています。
Microsoft Azure のパートナーとは?
Azure のパートナーとは、Microsoft が公式に認定し、Azure のライセンス販売や導入コンサルティング、設計・構築、運用保守、請求代行などを行う会社のことです。
少しイメージがしづらいかもしれませんので、家づくりに例えてみましょう。 家を建てたいと考えたとき、建材メーカーから木材や部品を直接購入して自分で建てることも理論上は可能です。しかし、多くの方は建築士や工務店に相談するのではないでしょうか。
「この土地の広さだと、どんな間取りが良いだろう?」
「耐震性や断熱性はどう考えればいい?」
「予算内で最適な設備を提案してほしい」
このように、専門的な知識と技術で家づくりをトータルにサポートしてくれるのが建築士や工務店です。Azure におけるパートナーもまさにその役割を担っており、複雑で多機能な Azure を、お客様のビジネスに合わせて最適に設計・構築し、必要であれば運用もしてくれる専門家集団なのです。
Azure のパートナーの役割と特徴
Azure のパートナーは、Microsoft が定めるパートナープログラムに則って認定されています。パートナーは Azure を顧客に販売するだけでなく、深い技術知識と豊富な導入実績に基づき、以下のような多様な役割を担います。
- コンサルティング:顧客のビジネス課題をヒアリングし、Azure を活用した解決策を提案する。
- 設計・構築:サーバー、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、最適な Azure 環境を設計し、構築する。
- 移行支援:オンプレミス環境や他のクラウドから Azure へのスムーズな移行を支援する。
- 運用・保守:24時間365日の監視や障害対応、バックアップ、アップデート管理など、Azure 環境の安定稼働を支える。
- コスト最適化:複雑な Azure の料金体系を分析し、無駄なコストを削減するための提案を行う。
Microsoft 直接契約との違い
もちろん、Azure は Microsoft から直接契約することも可能です。 では、直接契約とパートナー契約では具体的に何が違うのでしょうか。主な違いを表にまとめました。
Microsoft 直接契約 | パートナー契約(CSP※) | |
---|---|---|
契約先 | Microsoft | 各パートナー企業 |
支払い方法 | クレジットカード払い(ドル建て)が基本 | 請求書払い・口座振替(日本円)が中心 |
料金 | 定価 | 独自の割引やコスト最適化支援がある場合も |
導入時のサポート | 基本的にセルフサービス | 専門家によるコンサルティング、設計・構築支援、移行支援(有償含む) |
導入後のサポート | テクニカルサポート(プランによる) | パートナー独自の運用保守、監視、障害対応、コスト管理支援など |
関連サービスの提供 | Microsoft の製品・サービス | マルチクラウド、ハイブリッドクラウド構成、サードパーティ製セキュリティ製品など |
※CSP は、パートナー経由で Microsoft のクラウドサービスを利用するライセンスプログラムです。
一番の違いは、サポートの方向性です。 Microsoft 公式のサポートも充実していますが、基本的には Azure の仕様に関する問い合わせが中心です。一方、パートナーは「自社のこの業務を Azure でどう実現するか?」といった、よりビジネスに踏み込んだ相談や、アーキテクチャ設計、継続的なコスト最適化まで、伴走型の支援を期待できます。
また、支払い方法も重要な違いです。クレジットカード払いやドル建てでの経費処理が難しい場合、日本円での請求書払いに対応しているパートナー契約をおすすめします。
パートナー経由で Azure を利用するメリット
ここからは、パートナー経由で Azure を利用する具体的なメリットを6つご紹介します。
自社に最適な構成やコストの相談ができる
Azure には200を超える多種多様なサービスがあり、その組み合わせは無限大です。自社の要件に合わせて最適なサービスを選び、コスト効率の高い構成を設計するのは非常に専門知識を要します。 経験豊富なパートナーに相談すれば、自社のビジネス課題や将来の拡張性まで見据え、無駄のない最適なアーキテクチャとコストプランを提案してもらえます。
コストメリットが期待できる
「パートナー経由だと手数料が上乗せされるのでは?」と心配されるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。コストの最適化はもちろん、パートナーによっては独自の割引やキャンペーンを実施している場合もあります。
請求書払い(日本円)に対応している
前述の通り、多くのパートナーは日本円の請求書払いに対応しています。煩雑な経費処理から解放される点は、経理部門にとっても大きなメリットです。
技術支援を受けられる
Azure の導入には、ネットワーク設定やセキュリティ設計、データ移行など、専門的な知識とスキルが不可欠です。 パートナーに依頼することで、これらの複雑な作業を専門家に任せることができ、自社のIT担当者は本来注力すべきコア業務に集中できます。特にオンプレミスからの移行など、大規模なプロジェクトではパートナーの支援が成功の鍵を握ります。
専門家による高度な運用監視が受けられる
Azure は導入して終わりではありません。日々の運用の中で、パフォーマンスの監視やセキュリティの維持、障害発生時の迅速な対応が求められます。 運用監視のサービスを提供しているパートナーに委託すれば、システムの安定稼働とセキュリティレベルの向上を実現できます。
中立的な視点でのアドバイスがもらえる
一部のパートナーは、Azure だけでなく、類似サービス(AWS や Google Cloud)やオンプレミスサーバー、SaaSやセキュリティ製品も取り扱っています。 そのため、自社の課題に対して「本当に Azure が最適か?」という視点から、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド構成を含めた、より中立的で幅広い選択肢を提案してくれる可能性があります。
パートナー経由で Azure を利用するデメリット
もちろん、パートナー契約にはメリットばかりではありません。デメリットも理解した上で慎重に判断しましょう。
パートナーの当たりはずれ(向き不向き)がある
ひと口に Azure のパートナーと言っても、そのスタイルや得意領域はさまざまです。
- 大企業向けの大規模インフラ構築が得意なパートナー
- 中小企業向けの導入・運用支援に強みを持つパートナー
- データ分析やAI活用に特化したパートナー
- Webアプリケーション開発や支援が得意なパートナー
- 運用監視サービスに強みを持つパートナー
自社の課題や企業規模に合わないパートナーを選んでしまうと、期待したサポートが受けられない可能性があります。例えば、大規模な基幹システム移行を検討している企業が、中小企業支援を中心とするパートナーに依頼しても、ノウハウ不足でプロジェクトが難航するかもしれません。
自社に適した Azure パートナーの選び方
では、数あるパートナーの中から、どうやって自社に最適な一社を見つければよいのでしょうか。次の5つのポイントをチェックして、自社に最適かを見極めましょう。
自社の業界や規模に近い実績が豊富か
Webサイトや問い合わせなどで事例を確認し、自社と同じ業界や企業規模、類似の課題を解決した実績があるかを確認しましょう。実績が豊富ということは、それだけ多くの知見やノウハウが蓄積されているということです。自社特有の課題に対しても、的確なアドバイスや解決策を期待できます。
技術力や関連サービスの範囲は適切か
Azure のインフラ構築だけでなく、セキュリティ対策やデータ活用、アプリケーション開発など、自社が将来的に取り組みたい領域までカバーできる技術力を持っているかを確認しましょう。 また、Azure 以外のクラウドやオンプレミスとの連携、Microsoft 365 との連携など、IT環境全体を俯瞰して提案してくれるパートナーであれば、長期的な関係を築きやすいでしょう。
サポート体制は自社の要件に合っているか
サポート体制はパートナーによって大きく異なります。以下の点を確認し、自社の求めるレベルに合っているかを見極めましょう。
- サポート窓口:電話、メール、チャット、対面会議など
- 対応時間:平日日中のみか、24時間365日か
- 対応範囲:どのレベルの技術的な問い合わせまで対応可能か
契約・請求方法は自社のルールに適合するか
請求書払いに対応しているかはもちろん、支払いサイト(締め日や支払日)が自社の経理フローに適合するかを確認することも重要です。
ファイルサーバーやADサーバーの Azure 移行ならUSEN ICT Solutionsへ
「情シスマン」を運営するUSEN ICT Solutionsは、法人向けに Microsoft Auzre を提供しています。主にファイルサーバー・ADサーバーのクラウド移行や運用監視、ネットワークの設計などを得意としています。
ほかにも、Google Cloud や AWS、オンプレミスまで対応可能なため、お客様に合わせたプラットフォームをご提案します。
これらにお困りの方はぜひご相談ください。
Microsoft Auzre に関するご相談はこちら
Microsoft Azure のような強力なクラウドプラットフォームを最大限に活用するには、導入・運用を支援してくれるパートナーの存在が非常に重要です。
直接契約とパートナー契約の違いや、それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、自社のビジネス目標やITリソース、将来の展望に最も合ったパートナーを見つけることが、Azure 活用の成否を分けると言っても過言ではありません。
この記事で紹介した選び方のポイントを参考に、ぜひ信頼できるパートナーを探してみてください。