LINE WORKS AiNoteとは?個人利用・無料プランから有料版まで徹底解説
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会議や打ち合わせ後の議事録作成は多くの場面で発生しますが、発言を聞き返して書き起こす作業は想像以上に手間がかかり、担当者にとって大きな負担となります。さらに、作成者によって記録の精度や表現にばらつきが出やすく、読み手にとって分かりづらくなることも少なくありません。
近年、生成AIの普及により、音声認識や要約といった技術が急速に進化しています。これらの技術を活用することで、議事録作成の負担を軽減し、記録の正確性やスピードも向上させることが可能になります。このような背景から、AI議事録作成ツールが注目されています。
そこで今回は、AI議事録作成ツール「LINE WORKS AiNote」の機能と料金プランをご紹介します。特徴や強み、導入方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※2025年8月時点の情報を掲載しています。
LINE WORKS AiNoteとは?
LINE WORKS AiNoteは、ビジネスチャット「LINE WORKS」を提供するLINE WORKS株式会社のサービスです。AIを活用した高精度な音声文字起こしと議事録作成機能により、会議内容の自動記録・テキスト化、およびチームメンバーとの容易な共有を実現します。
CLOVA Noteβ版との違い
LINE WORKS AiNoteは、もともと一般向けに提供されていた「CLOVA Noteβ」の技術をベースに、法人向けに最適化されたサービスです。両者には共通点もありますが、目的や機能にはいくつか違いがあります。
CLOVA Noteβ版は、録音と文字起こしを中心とした個人向けのサービスでした。一方、LINE WORKS AiNoteは、法人での業務利用に対応するために設計されており、作成された議事録の組織活用や生産性向上、会議データの資産化を目的としています。そのため、録音・文字起こし機能に加え、管理機能やセキュリティ機能、AI機能、Web会議連携が備わっています。
LINE WORKS AiNoteの特徴・強み
ここでは、LINE WORKS AiNoteが他の議事録作成ツールと比較してどのような特徴や強みを持っているのかを解説します。
高い音声認識精度
LINE WORKS AiNoteの最大の魅力は、高い音声認識精度にあります。
国際コンペティション「DIHARD3(2021)」で世界第3位に選ばれた話者分離機能は、会議における複数人の会話を正確に識別し、誰が何を話したかを明確に記録できます。これは、複数人が参加するビジネスシーンにおいて特に大きな利点となります。
さらに、会議中に頻繁に発生する「えっと」「あのー」といったフィラーや言い淀みを自動的に除去することで、読みやすく洗練された議事録を効率的に作成できる点も、LINE WORKS AiNoteの大きな強みです。
強固なセキュリティ対策
LINE WORKS AiNoteは、企業での利用を前提としたサービスであり、セキュリティ面でも充実した機能が提供されています。
アカウントのセキュリティ管理として、パスワードやログインのポリシー設定、2段階認証、携帯番号による認証、管理者権限の設定、シングルサインオン(SSO)など、多層的な認証・権限制御に対応しています。
さらに、2025年7月24日のアップデートでは、外部MDM(モバイルデバイス管理)と連携することで、LINE WORKS AiNoteへのログインを許可するモバイル端末を制限できるようになりました。

無料で使えるフリープランの特徴とできること
LINE WORKS AiNoteには無料で利用できるフリープランが用意されています。
このプランでは、月300分までの文字起こしが可能で、話者分離や音声ファイルのアップロード、ノートの作成・共有といった基本的な機能が利用可能です。
ただし、利用できる機能にはいくつかの制限があります。たとえば、AI要約機能やWeb会議の録音機能は利用できません。また、録音データがAIの学習に利用される場合があるほか、データの保管期間も1年間に限られています。これらの機能の詳細については、次の章で詳しく解説します。
フリープランは、まずは無料で試してみたい方に最適なプランと言えるでしょう。
LINE WORKS AiNoteの基本機能
ここではLINE WORKS AiNoteの各機能の概要を簡単に解説します。
※フリープランでは利用できる機能に一部制限があります。
文字起こし
AIを活用して音声を高精度にテキスト化します。会議やインタビューなどの音声を自動でテキスト化できるため、議事録作成にかかる手間と時間を大幅に削減できます。
録音はスマートフォン・パソコンのどちらからでも可能で、リアルタイムでの文字起こしに加え、録音済みの音声ファイルをアップロードして文字起こしすることもできます。
話者分離
話者分離機能により、複数の参加者の発言を識別し、それぞれ誰が話したかを明確に記録します。この機能は、単一マイク使用時でも高い精度を誇り、自動的に発言者を判別してテキスト化できます。
AI要約
録音した会議内容を自動的に文字起こしするだけでなく、AIが内容を要約してくれる機能が搭載されています。要約には、「全体の要約」「主要トピック」「区間ごとの要約」の3種類があり、目的に応じて使い分けることができます。
「全体の要約」は、録音内容全体を簡潔にまとめる形式で、会議全体の流れや主なポイントを短時間で把握したい場合に便利です。
「主要トピック」では、録音の中から重要な話題やキーワードを抽出し、会話の中で何が議論されたのかを効率よく確認できます。
「区間ごとの要約」では、会議内容を時間ごとに分類して要約し、各区間ごとに内容を効率的に振り返ることができます。
Web会議の録音
Zoom、Microsoft Teams、Webex、Google Meet といった主要なWeb会議ツールとの連携に対応しています。オンライン会議の録音から文字起こしまでを自動化し、議事録作成の負担を大幅に軽減します。
よく使う単語の登録
社内で頻繁に使用される専門用語や固有名詞、独自の略語などを「よく使う単語」として登録することができます。この機能は、ユーザー個別に設定できるほか、管理者が管理画面を通じて環境全体に適用することも可能です。
この機能を活用することで、AIによる音声認識の精度が大きく向上し、専門用語や固有名詞が正確に認識されやすくなります。その結果、議事録作成の質が安定し、誤変換の修正にかかる時間が削減できるため、業務効率の向上にもつながります。
複数言語の対応
日本語に加えて、英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語にも対応しています。
音声データからノート作成
音声データをもとに自動で文字起こしと記録作成を行う機能が搭載されています。ノート作成時に録音を開始するか、あらかじめ録音された音声ファイルをアップロードすることで、AIが音声を解析し、議事録として記録ノートを自動生成します。
ノートの共有
作成したノートを同じドメイン内の社内メンバーに簡単に共有することができます。共有時には通知が送信され、共有されたノートは受け取ったメンバーそれぞれの「共有されたノート」フォルダに表示される仕組みになっており、アクセス性も非常に高く設計されています。
管理機能
管理者はすべてのノートを検索・削除したり、特定の機能を制限したりすることができます。
また、ユーザー単位での権限管理に加え、組織やグループごとの管理も可能なため、部署や役割に応じた柔軟な運用が実現します。役職や職級に基づく権限設定にも対応しており、日本の企業文化に合わせた使い方が可能です。
さらに、利用状況を把握できる統計機能や、誰がどのノートにアクセスし何を操作したかを記録できる監査ログも備えられており、情報統制やコンプライアンスの観点でも安心です。
有料版の機能と料金プラン|ビジネスに最適な選び方
LINE WORKS AiNoteには、ニーズに合わせて選べる複数の有償プランが用意されています。
個人向けにはソロプラン、企業向けにはチーム・ビジネス・エンタープライズプランがあり、これらの有償プランでは基本的にすべての機能を利用可能です。
しかし、プランごとに月に利用できる文字起こし時間やAI要約の回数、利用人数が異なります。ここでは、各プランで使える機能や料金について詳しく解説していきます。
ソロ(個人事業主・フリーランス向け)
ソロプランでは、月間の文字起こし時間が600分に増え、1回あたりの上限も180分に延長されます。さらに、月に12回までAI要約機能が利用できるほか、音声データが学習に利用されることはありません。
個人の商談や打ち合わせの記録をAIで効率化したい、個人事業主やフリーランスの方に適していると言えるでしょう。
企業向け(チーム・ビジネス・エンタープライズ)
企業向けプランには、チーム、ビジネス、エンタープライズの3種類があります。いずれのプランも利用人数に制限がなく、月間の文字起こし時間とAI要約回数が大幅に増加するのが特徴です。また、高度な管理・セキュリティ機能が共通して提供されており、音声データがAIの学習に利用されることもないため安心して利用できます。
これらのプランは、チームや部署、会社全体で利用し、会議の議事録作成や情報共有を効率化したい企業に適しています。
各プランの主な違いを以下の表にまとめています。
個人事業主・フリーランス向け | 企業向け | ||||
---|---|---|---|---|---|
プラン名 | フリー | ソロ | チーム | ビジネス | エンタープライズ |
想定ユーザー | 無料でお試ししたい方 | 1人で利用 | 少人数のチームで利用 | 部署などで利用 | 会社全体で利用 |
共有文字起こし時間(1サービス環境 / 月) | 300分 | 600分 | 6,000分(100時間) | 18,000分(300時間) | 60,000分(1,000時間) |
利用人数 | 最大30人 | 1人 | 無制限※ | 無制限※ | 無制限※ |
1回あたりの文字起こし時間上限 | 180分 | 180分 | 180分 | 180分 | 180分 |
AI要約 | 0回 | 12回 | 120回 | 360回 | 1,200回 |
Web会議の録音 | ✕ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
データの学習利用 | 学習利用あり | 学習利用なし | 学習利用なし | 学習利用なし | 学習利用なし |
データ保管期間 | 1年 | 3年 | 5年 | 5年 | 5年 |
※LINE WORKSと同環境でご利用の場合は、LINE WORKSの利用メンバー数がLINE WORKS AiNoteの利用メンバー数の上限になります。
料金プラン
LINE WORKS AiNoteの料金体系は、月額契約と年額契約の2種類があり、ニーズに応じて選ぶことができます。
月額契約は、毎月の利用料を支払う形式で、柔軟に契約を変更したい場合に便利です。一方、年額契約は1年単位での契約となり、月額料金が割引されるため、コストを抑えたい場合にメリットがあります。
個人事業主・フリーランス向け | 企業向け | ||||
---|---|---|---|---|---|
プラン名 | フリー | ソロ | チーム | ビジネス | エンタープライズ |
年額契約 | ¥0 | ¥1,440 / 月 | ¥19,880 / 月 | ¥54,000 / 月 | ¥162,000 / 月 |
月額契約 | ¥0 | ¥1,6000 / 月 | ¥22,000 / 月 | ¥60,000 / 月 | ¥180,000 / 月 |
※2025年8月時点の情報を掲載しています。
※費用は全て税別です。
オプション商品
文字起こし時間とAI要約回数をオプションで追加することができます。これにより、会議の規模や頻度に応じて、柔軟に対応できるようになります。
追加文字起こし時間100分 + AI要約の利用回数2回 | |
---|---|
単月追加 | ¥440 / 月 |
毎月追加(年額契約) | ¥360 / 月 |
毎月追加(月額契約) | ¥400 / 月 |
※費用は全て税別です。
LINE WORKS AiNoteの利用シーン
ここでは代表的な利用シーンをご紹介します。
リスクマネジメント
商談や重要な会議において、「言った・言わない」といった認識のズレは、企業にとって大きなリスクとなり得ます。LINE WORKS AiNoteを導入することで、高精度な文字起こしとAIによる要約機能により、会議内容をリアルタイムで正確に記録することが可能です。これにより、信頼性の高い議事録が作成され、将来的なリスクを軽減することに貢献します。
経営会議、管理職会議
経営層や管理職による会議では、意思決定のプロセスや発言責任が重要になる場面が多々あります。LINE WORKS AiNoteは、高精度な文字起こしとAIによる要約機能を活用することで、会議の全体像や主要な議題、決定事項を迅速に記録できます。これにより、意思決定の過程が透明化され、後の振り返りや情報共有がスムーズになります。管理職層にも適した機能を備えたツールです。
一般社内会議
日々行われる一般社内会議においても高い効果を発揮します。チームミーティングや部署内での打ち合わせでは、LINE WORKS AiNoteは会話をリアルタイムで記録し、重要な発言や決定事項を自動で整理してくれます。これにより、議事録作成の手間が省けるだけでなく、会議後すぐに参加者間で要点を共有できるため、情報の伝達ミスや抜け漏れを防ぐことができます。
さらに、社内研修や業務説明の場での活用も有効です。教育内容をそのまま記録・蓄積できるため、復習や別の社員への再利用が可能になります。これは、教育担当者の負担を軽減し、ナレッジを組織全体で共有・活用する基盤としても機能します。
LINE WORKS AiNoteの導入方法
導入方法は、LINE WORKS公式サイトから直接契約するほかに、「代理店(リセラー)」から契約するという選択肢があります。
代理店経由の場合、導入後のサポートを受けられるほか、代理店によってはコストメリットが得られる場合もあります。サポート体制やコストを重視する企業には、代理店経由での契約がおすすめです。
LINE WORKS AiNoteは、高精度な音声認識と話者分離、要約など豊富な機能を備え、会議の記録や社内共有を効率化します。料金プランも柔軟で、自社の規模やニーズに合わせて選べるため、幅広い業種で活用可能です。議事録の品質を高め、社内の情報共有を円滑にしたい企業にとって、LINE WORKS AiNoteは非常に有力な選択肢といえるでしょう。
情シスマンを運営するUSEN Smart Worksは、LINE WORKSのゴールドパートナーとして、法人向けにLINE WORKS AiNoteを提供しています。導入のご相談や詳細情報をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
