PCから突然大きなアラーム音が鳴った——。それ、サポート詐欺かもしれません。

業務中にWebサイトを訪れたら、突然以下のようなことが起きたことはありませんか。
- PCから大音量のアラーム音や「ウイルスに感染しています」という音声が流れた
- 画面いっぱいに警告が表示されて、画面を閉じることができない
- 「今すぐ Microsoft に電話してください」というような誘導案内が表示されている
これらに当てはまる場合は、ほぼ間違いなく「サポート詐欺」ですので、決して連絡しないでください。
例え大きな音が鳴ったとしても、PCや携帯はウイルス等のマルウェアに感染していません。周囲に人がいる状態で大きな音を鳴らすことで、慌てて対応させようとする攻撃者の思惑です。
サポート詐欺とは
サポート詐欺とは、Webサイト上でウイルス感染等の偽警告を表示して、ユーザーの不安を煽り、偽の窓口へ誘導する手口です。電話やチャットでのやり取りを通じて、金銭をだまし取ったり、遠隔操作ソフトを悪用して、外部の攻撃者がPCに自由に出入りできる隠し通路を作り出したりします(バックドアと呼ばれます)。
サポート詐欺には数パターンの種類があり、以下で紹介していきます。
パターン1:Windows ロゴを使った偽警告

偽の警告画面には Windows などのロゴが使われており、見分けにくい内容になっています。
また電話番号は050から始まるIP電話や、010などの国際電話が悪用されているケースが多く確認されています。上記のパターンでも右下に(0101)という記載があり、これはアメリカへ繋がる国際電話の識別番号です。
パターン2:広告からの誘導

IPAの安心相談窓口だより「サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?」によれば、広告枠に「次のページ」とだけ書かれたボタンに偽装した画像広告が出ているケースが確認されており、普通のサイトを閲覧中でもクリックしてしまうと偽警告画面に誘導されます。

パターン3:2024年頃から急増している「本当に操作不能になる」手口



こちらもIPAによると、2024年6月から、ブラウザではなくPC全体に偽警告が表示されてキーボードやマウスの操作を一切受け付けなくなる新しい手口が確認されています。従来の偽警告と違い、Escキーを長押ししても状況が変わらないため、より深刻なパニックを引き起こします。
【対処法】もしもこのような事態に遭遇したら?
- まず音を止める
- ブラウザを閉じる
ステップ1:まず音を止める
PCから突然大音量が流れると、誰でも一瞬パニックになります。マウスが偽の警告画面にロックされて動かせないことも多いため、キーボードの物理ボタンで操作するのが一番確実です。
以下のいずれかの方法で音を止めてください。
- キーボードのミュートボタンを押す
- タスクバーのスピーカーアイコンから音量を下げる
キーボードのミュートボタンを押す

キーボード上部に配置されている、スピーカーに×印や斜線が入ったマークのキーを探してください(F1〜F12のファンクションキーの配置されていることが多いです)。そのキーを押すことで、PCをミュート状態にすることができます。もし押しても何の反応もない場合は、Fnキーを押しながら同時に押してください。(例:Fn+F10)
※ ミュートキーの位置はメーカーや機種によって異なります。
タスクバーのスピーカーアイコンから音量を下げる

上記のやり方でミュートマークが見当たらない場合は、画面右下のタスクバーにあるスピーカーアイコンをクリックし、音量スライダーを左端まで動かしてミュートにしてください。
外付けスピーカーやイヤホンを使っている場合
スピーカーのダイヤルを回して最小にするか、イヤホンをひとまず耳から外して机に置いてください。音が鳴り続けていても、耳さえ守れば落ち着いて次の操作ができます。
ステップ2:ブラウザを閉じる
通常の方法で閉じられる場合
ブラウザ右上の「×」で閉じてください。「このサイトを離れますか?」と聞かれたら「このページを離れる」を押します。
全画面になって閉じられない場合
キーボード左上の「Esc(エスケープ)キー」を3秒以上長押しして全画面表示を解除してから、ブラウザを閉じてください。 それでも閉じられない場合は、タスクマネージャーで強制終了します。
Windows の場合 | 「Ctrl+Shift+Esc」でタスクマネージャーを開き、ブラウザ(Chrome や Edge など)を選択して「タスクの終了」を選択する。 |
|---|---|
Mac の場合 | 「Command+Option+Esc」でアプリケーションを強制終了させる。 |
2024年以降の新手口(PC全体が操作不能になる場合)
Escキーが効かず、マウスもキーボードも一切反応しない場合は、PCの電源ボタンを長押しして強制終了してください。起動し直せば元に戻ります。
絶対にやってはいけないこと
- 画面に表示された電話番号に電話をかける
- 画面の指示通り、遠隔操作ソフトをインストールする ※ AnyDesk や TeamViewer 等
- 銀行口座やクレジットカードの番号を教える
- ギフトカードでの支払い要求に応える
もし怪しい誘導にのってしまった場合
画面に表示された電話番号に誤って電話をかけてしまった場合やその他不審な指示に従ってしまったと気づいた時、とてもヒヤッとしますね。その場合でもできる限りの対応を行うことで、その後の被害を大きく減らすことができます。
まず状況にかかわらず、すぐに電話を切りネットワークを切断してください。特に遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合は速やかな切断が重要です。
- 有線接続の場合はLANケーブルを抜く
- Wi-Fiの場合はWi-FiをOFF、またはルーターの電源を切る
その後、なるべく早期に外部の相談窓口への連絡をおすすめします。ここでは、一例としてIPAの相談窓口をご紹介します。
個人の場合
IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」では、電話・メールで一般的な情報セキュリティに関する技術的な相談ができます。

法人の場合
社内に情報システム担当がいる場合、すぐにその担当者に連絡し、指示を仰いでください。
社内に情報システム担当がいない場合、IPAの「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」への相談をおすすめします。

既に金銭的被害等が発生している場合
既に金銭的被害等が発生している場合は、早めに最寄りの警察署への連絡を推奨します。
併せて、もしカード情報を入力してしまった場合は、速やかにカード会社に連絡を行ったうえでカードの利用停止を依頼してください。
サポート詐欺関連の相談数・被害額は?
IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2025年第4四半期(10月~12月)]」によれば、2025年第4四半期(10月〜12月)における「ウイルス検出の偽警告」の相談件数は789件で、全相談の26.5%を占め、依然として最多の手口です。
基本的な対応を押さえていれば被害の確率を大きく減らすことのできる「サポート詐欺」ですが、依然として被害者数が多い事から、今後も当面はサポート詐欺の総数は減ることはないと思われます。
まずは自分自身が騙されないこと。そして、もし周りで困っている人がいたらこの記事を共有して、社会全体で詐欺の包囲網を広げていきましょう。
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